脅して金を奪おうとした相手を金属バットで殴り、重傷を負わせたとして強盗致傷の罪に問われた佐々町、川崎友大被告(24)の裁判員裁判が25日、長崎地裁(松尾嘉倫裁判長)であった。被告は「(間違い)ありません」と罪を認めた。県内7例目の裁判員裁判。
起訴内容によると、昨年10月1日午後10時22分ごろ、佐々町の路上で30代男性に「財布ば出せ、頭ばかち割るぞ」と脅し、金属バットで殴って左ひじを骨折させたとしている。金は奪えなかった。
冒頭陳述と証拠調べで、検察側は動機について、借金があるうえにパチスロで給料を使ったことなどから、強盗しようと指摘。「動機や経緯に同情の余地はない」とした。弁護側は、被告が殴ったのは脅迫内容通りの「頭」ではなく「手」だったと説明し、「(バットは)最初は脅しに使うつもりだけだった。手を殴ったのは、けがが少なくなるよう配慮したからだ」と情状酌量を求めた。
裁判員6人と補充裁判員2人は、補充の1人を除き全員男性。選任手続きに出席した裁判員候補者は36人で、出席率は92・3%だった。【釣田祐喜】
〔長崎版〕
毎日新聞 2010年5月26日 地方版