民主党の事業仕分けは田中真紀子氏の外務省叩きと同レベル
メディアはすぐに「国民はパフォーマンスにだまされやすい」と言うが、実際にパフォーマンスに目を奪われて、改革の地道な工程を邪魔しているのはメディアの側だ。
田中真紀子氏の外務省叩きを賞賛したメディアが、今は民主党の事業仕分けを賞賛しているのだから、まったく進歩がない。表面的な官僚叩きに喝采するのは、メディアの怠慢である。
真紀子氏は、外務省を「伏魔殿」と呼んで、思いつきで人事を凍結したり、大臣室への出入り禁止などを行った。しかし、改革の具体的な方法論を欠いていたため、何も進展しなかった。方法論の欠如をごまかして、思いつきで威勢の良いことだけを言い、官僚を罵るだけだった。
真紀子氏は9カ月で更迭された。もし、あの時、真紀子氏を更迭していなければ、小泉改革はなし遂げられなかっただろう。真紀子氏のパフォーマンスは、改革とは無関係どころか、改革にとっては邪魔でしかなかった。改革をつぶすのは、いつだって「方法論を欠いた過激な自称改革派」である。
しかし、真紀子氏が更迭された時、毎日新聞は社説で小泉首相を批判した。
「この対応は、構造改革を進める上でも悪例となりかねない。公共事業に大なたを振るい、郵政など公的独占分野を見直そうとする小泉改革にとって、族議員を抑え、官支配から脱却することは必須条件だ。ところが、特定議員がNGO活動にまで口出しし、排除を決めた官僚が一緒になって、責任追及する大臣に猛烈に反撃した。特殊法人改革や公共事業削減に、族議員と官僚がスクラムを組んで抵抗する構図と何ら変わりない。今回の外相の首の切り方は、小泉改革が本物かどうかを疑わせる」(2002年1月31日付の毎日新聞社説)
現実には小泉改革で、公共事業を含む聖域無き歳出削減が断行され、郵政民営化まで実現した。毎日新聞には何も見えていなかったのである。一方、多くの国民は、改革のパフォーマンスではなく、現実的な工程をちゃんと注視していた。だからこそ、その後、世論で反改革派が多数派に転じるまで、小泉改革は長く支持された。
小泉内閣は改革派(財政再建、規制緩和、民営化・分権化)だったが、民主党政権は反改革派だ。民主党政権は、古い自民党利権政治(角栄型バラマキ)や古い社会党利権政治(美濃部型バラマキ)を復活させる革命派(財政赤字、規制強化、国営化・集権化)なので、パフォーマンスが邪魔になるどころか、積極的に活用されている。
事業仕分けはアリバイ作りのための便利なツールだ。民主党の事業仕分けでは表面的に官僚叩きばかりしているが、実際には天下り公認、終身雇用化、人件費増大が行われている。公務員既得権肥大化のアリバイ作りに加担しているという点では、真紀子氏よりも事業仕分けの方が何万倍も問題だ。もっとも、それは改革派にとって問題なのであって、反改革派の間では事業仕分けは依然として支持されている。
改革の邪魔になった真紀子氏は小泉内閣で更迭されたが、改革つぶしの道具として役に立つ事業仕分けは民主党“反改革”政権の中で最大限に活用されている。実にわかりやすい構図である。
田中真紀子氏の外務省叩きを賞賛したメディアが、今は民主党の事業仕分けを賞賛しているのだから、まったく進歩がない。表面的な官僚叩きに喝采するのは、メディアの怠慢である。
真紀子氏は、外務省を「伏魔殿」と呼んで、思いつきで人事を凍結したり、大臣室への出入り禁止などを行った。しかし、改革の具体的な方法論を欠いていたため、何も進展しなかった。方法論の欠如をごまかして、思いつきで威勢の良いことだけを言い、官僚を罵るだけだった。
真紀子氏は9カ月で更迭された。もし、あの時、真紀子氏を更迭していなければ、小泉改革はなし遂げられなかっただろう。真紀子氏のパフォーマンスは、改革とは無関係どころか、改革にとっては邪魔でしかなかった。改革をつぶすのは、いつだって「方法論を欠いた過激な自称改革派」である。
しかし、真紀子氏が更迭された時、毎日新聞は社説で小泉首相を批判した。
「この対応は、構造改革を進める上でも悪例となりかねない。公共事業に大なたを振るい、郵政など公的独占分野を見直そうとする小泉改革にとって、族議員を抑え、官支配から脱却することは必須条件だ。ところが、特定議員がNGO活動にまで口出しし、排除を決めた官僚が一緒になって、責任追及する大臣に猛烈に反撃した。特殊法人改革や公共事業削減に、族議員と官僚がスクラムを組んで抵抗する構図と何ら変わりない。今回の外相の首の切り方は、小泉改革が本物かどうかを疑わせる」(2002年1月31日付の毎日新聞社説)
現実には小泉改革で、公共事業を含む聖域無き歳出削減が断行され、郵政民営化まで実現した。毎日新聞には何も見えていなかったのである。一方、多くの国民は、改革のパフォーマンスではなく、現実的な工程をちゃんと注視していた。だからこそ、その後、世論で反改革派が多数派に転じるまで、小泉改革は長く支持された。
小泉内閣は改革派(財政再建、規制緩和、民営化・分権化)だったが、民主党政権は反改革派だ。民主党政権は、古い自民党利権政治(角栄型バラマキ)や古い社会党利権政治(美濃部型バラマキ)を復活させる革命派(財政赤字、規制強化、国営化・集権化)なので、パフォーマンスが邪魔になるどころか、積極的に活用されている。
事業仕分けはアリバイ作りのための便利なツールだ。民主党の事業仕分けでは表面的に官僚叩きばかりしているが、実際には天下り公認、終身雇用化、人件費増大が行われている。公務員既得権肥大化のアリバイ作りに加担しているという点では、真紀子氏よりも事業仕分けの方が何万倍も問題だ。もっとも、それは改革派にとって問題なのであって、反改革派の間では事業仕分けは依然として支持されている。
改革の邪魔になった真紀子氏は小泉内閣で更迭されたが、改革つぶしの道具として役に立つ事業仕分けは民主党“反改革”政権の中で最大限に活用されている。実にわかりやすい構図である。
2010/05/27(Thu) 15:02:48 | 政治
Re:民主党の事業仕分けは田中真紀子氏の外務省叩きと同レベル
田中真紀子氏が何をやろうとしたのか本当に分かっているのでしょうか?テレビ・新聞から垂れ流されている小泉・竹中が日本を「改革」したという世論誘導に完全に踊ってますね。
日本を壊した国賊という事実が完全に抜けている。
半世紀以上続いた政官業の癒着が数カ月で何とかなると思いか?
事業仕訳レベルのことからコツコツと民主主義を築いていかなければならないことが分からないかな…