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「円安バブル」と財務省の責任
細かい話だが、bewaad氏からていねいな反論をいただいたので、お答えしておこう。
「そもそもwebmasterは円キャリーが円安の原因となったなどと書いていない」といわれても、私はそんなことを書いてない。逆にbewaad氏がゼロ金利の弊害を過小評価し、それが円キャリーをまねいて円安(ドル高)の原因となったことを否定しているのがおかしい。金利差による円キャリーが円安をもたらすとともに、円安が円キャリーを促進する悪循環によって円安バブルが発生したからだ。
El-Erianも、日本の低金利政策が米ドルだけでなく、NZやブラジル、トルコなど高金利国への為替投機のコストを下げて世界に過剰流動性をばらまき、世界経済を不安定にしたと指摘している。円安のもう一つの原因は財務省の為替介入だったので、bewaad氏のお好きな「リフレ」政策が欧米のバブルを促進した責任はまぬがれない。これは彼が財務省の官僚と推定されることから、特に強調しておきたい。
なお貿易財の購買力平価をBig Mac Indexで代えたのは安易だった(グーグルで見つからなかったもので)。たとえばこの論文(Table4)では、2008年のfundamental equilibrium exchange rateを1ドル=90.1円と推定している。この計算では、今の為替レートは均衡レートに近いので、円安バブルはほぼ終わったと考えられる。
1980年代にも、円高不況への対応を金融政策だけに頼り、低金利政策を続けたことがバブルの原因になった。Bewaad氏の意見が財務省を代表しているとは思わないが、今回も財務省・日銀の円安・ゼロ金利政策がグローバル危機の一因であることを、財務省にはぜひ認識していただきたい。
「円キャリー(金利裁定)は為替レートに中立です。『円安に賭ける』必要なんかない。現実にもここ数年、円安が続いたので、為替リスクは無視できたから、 1兆ドル以上も円キャリーが積み上がったのです」とのことですが、そもそもwebmasterは円キャリーが円安の原因となったなどと書いていない(逆に円安予測がむしろ円キャリーをもたらした、と書きました)ので、何に反論されているのか認識できません。これは意味論的な議論だが、私のコメントでは「円キャリーとは金利差ではなく、将来は円安になるとの見込みに基づいて為替リスクを取ることで儲けを狙う取引なのです」(強調は引用者)というbewaad氏の記述が事実誤認であり、円キャリーの目的は金利裁定だと指摘したのだ。同じコメント欄でinstitutional_investor氏もいうように「円キャリーは為替が主目的の投資ではなく,円安になってくれればなお儲かる程度の副産物です」。金利差がなければ確実に鞘をとることはできないのだから、これほど大きな為替投機は発生しなかった。
「そもそもwebmasterは円キャリーが円安の原因となったなどと書いていない」といわれても、私はそんなことを書いてない。逆にbewaad氏がゼロ金利の弊害を過小評価し、それが円キャリーをまねいて円安(ドル高)の原因となったことを否定しているのがおかしい。金利差による円キャリーが円安をもたらすとともに、円安が円キャリーを促進する悪循環によって円安バブルが発生したからだ。
El-Erianも、日本の低金利政策が米ドルだけでなく、NZやブラジル、トルコなど高金利国への為替投機のコストを下げて世界に過剰流動性をばらまき、世界経済を不安定にしたと指摘している。円安のもう一つの原因は財務省の為替介入だったので、bewaad氏のお好きな「リフレ」政策が欧米のバブルを促進した責任はまぬがれない。これは彼が財務省の官僚と推定されることから、特に強調しておきたい。
なお貿易財の購買力平価をBig Mac Indexで代えたのは安易だった(グーグルで見つからなかったもので)。たとえばこの論文(Table4)では、2008年のfundamental equilibrium exchange rateを1ドル=90.1円と推定している。この計算では、今の為替レートは均衡レートに近いので、円安バブルはほぼ終わったと考えられる。
1980年代にも、円高不況への対応を金融政策だけに頼り、低金利政策を続けたことがバブルの原因になった。Bewaad氏の意見が財務省を代表しているとは思わないが、今回も財務省・日銀の円安・ゼロ金利政策がグローバル危機の一因であることを、財務省にはぜひ認識していただきたい。
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Bewaad氏のハンドルネームは、ケインズの"In the long run We Are All Dead"からとったそうですが、これはshort runでは官僚が経済を最適にコントロールできるという誤った信念の表明です。Bewaad氏は厚労省の天下り学者のような三流官僚とは違い、市場の機能を理解していますが、彼も霞ヶ関パターナリズムを脱していないと思います。
「一般的に、投資に際しての「キャリー」とは、市場の状態(例えば金利水準など)に変化がないという前提の下で一定期間内にその投資対象からどのくらいのリターンが得られるか、つまり、その投資対象を保有しているだけでどのくらいのリターンを得ることができるか、を示すものであるといえます。」(PIMCO)
リターンをインカムゲインとキャピタルゲインに分解し、円キャリーをインカムゲインだけに限定すると、先生のご指摘が正しくなり、円キャリーをキャピタルゲインだけに限定すると、bewaad氏の説が正解となるように思えます。
個人的には、円キャリーはインカムとキャピタルの両方の収入を含むと思いますが、インカムを狙った取引とキャピタルを狙った取引の、どちらが世界経済に大きく影響しているのかはわかりません。
先進国の人間なら3〜4万ドルの価値の範囲におさまるだろうし、教育やインフラが整っていれば、中進国はいずれ先進国に追いつく。
私は世界の中でも日本人の価値は高いと考えているので、今程度は当然だろうと思うし、アメリカのデブがあの名目上の人間の価値を得るのは、完全な間違いだろうと思っていた。
さらに、日本がデフレなのは、現在の日本人に対して、将来の日本人や外国人が際立って価値が高くなると予想できないことに拠るのだろう看做している。
将来の日本人に関しては、政治的な力量不足、外国人については、情報の不足など様々な理由がある。
http://en.wikipedia.org/wiki/Carry_trade#Currency
なお為替先渡取引では、bewaad氏もいうように金利平価でレートが決まるので、円キャリーで利益を得ることはできませんが、これは為替リスクを取ればいいだけ。現実に1兆ドルの円キャリーのほとんどは為替をヘッジしていないので、100円を切ってから巻き戻したわけです。
また為替変動が非常に大きいと、そのリスクプレミアムが金利差を上回るので、キャリー取引で利益を得られなくなります(現状はそれに近い)。その意味で、円安傾向が円キャリーを促進したというbewaad氏の議論は正しいが、それは円キャリーの目的が為替差益だったということにはならない。目的は、あくまでも金利差によるインカムゲインです。
少しでも利益を上げたいファンドにとって、その利回差は是非欲しいところ。例えば、サブプライム問題前のFed金利は5.25%で日米の金利差は4.75%。そして、サブプライム問題前の為替のImplied Volatilityは前代未聞の5-6%まで下がってきていた。ほとんど大きな変動もなくゆっくり円安になっていく市場環境においては、円キャリーはまさにフリーランチになっていた。金利差の4%がそんなに大きいのか?と思われるかもしれないが、レバレッジを掛ければそれはあっという間に数倍になります。そんなレバレッジが思ったほど怖く感じられないぐらい、サブプライム問題前のマーケットは低ボラティリティでした。だからこそ、円キャリーの残高が積み上がっていったのでしょう。
公平にいうと、bewaad氏の経済学の知識は、財務省の平均的な官僚(法学部卒)より上です。たぶん経済学部卒だと思われますが、学部レベルのケインズ経済学の呪縛をまぬがれていないように見えます。私の学生のころは、財政学の先生が「大蔵省の均衡財政はpro-cyclicalだ」と批判していたのですが、皮肉なことにやっと財務省でケインズ経済学が常識になった90年代に、世界ではケインズ経済学は死んでいたのです。
なるほど、それで団塊の世代がリストラ〜定年退職で一線から退いていった2003〜2007年くらいは、日本も例外的に好景気だったのですね。
もちろん第一義的に責任があるのは日銀と財務省ですが、無責任な「非正統的金融政策」を提唱してメディアで騒ぎ続けた一部の経済学者(およびそれに追随した半可通)も責任をとるべきです。投資需要が拡大してないのに通貨供給だけ拡大したら、どこかにバブルが起こるに決まっていたのだから。
って誰なんでしょうか?
The Hamburger Standard (based on July 24th, 2008 BigMac Prices)
http://www.oanda.com/products/bigmac/bigmac.shtml
ヴォラティリティーを無視できるのか?とか本人も書いていますけれど、そういう反応をしている人が見受けられます。ウィーナー過程に従う確率分布の平均が0であり、為替レートがこれに従うのであれば、為替差益に投資する長期のリターンが0になるので、為替リスクに対して中立になるというポイントを理解していないようです。
ここで問題になるのが、為替レートがランダムウォークになるのか、ということです。為替レートがランダムウォークに従うかどうかについての先行研究は、
・仮説検定を行った場合、為替変動がランダムウォークに従うという仮説を棄却できない
・周波データの攪乱項がホワイトノイズと似通っている、たいして異ならない
・歪度が0に近い、左右対称の確率分布であり、尖度が正規分布より高い、
・日次から週次データ、月次データ、四半期データと、観察対象のスパンを長くしていくごとに、確率分布の尖度が小さくなっていき、正規分布の形に収斂していく
というものだったと記憶しています。
したがって、為替レートがランダムウォークに従うという仮定は一種の定型化された事実のようなものであり、bewaad氏も踏襲するべきものだったと思います。
それで、為替介入による円安(下方ドリフト)が生じていたというなら副作用としての為替差益が出てくるということでしょうね。
その人は、作る人であると同時に消費する人です。二面性があります。
これを日本人と米国人と仮定して考えるたり、
さらに日本人を現在と将来で分けて考えたり、
途上国人の財のセットが、先進国の財のセットに組み変わっていく過程を考えたり、
或いは、国内外・異時点間での購買力の移転を考えたりできるようになるわけです。
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