在米23年のアメリカン流通コンサルタント。
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【音楽販売】、アップルのシェアは全体で28%に!アップルとアマゾンが互いに猛追する?
2010年05月27日04時00分 / 提供:激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログ
■アップル社の音楽配信サービス「アイチューンズ(iTunes Store)」は第1四半期(1月〜3月期)、小売店販売とダウンロード販売を合わせた音楽販売のシェアで28%に達した。調査会社のNPDグループによると、2位はウォルマートとアマゾン・コムの12%。アマゾン・コムは前年同期より3%増加しウォルマートと同位となった。
音楽ダウンロード販売は今年に入っても伸びを維持しており、市場全体に対する割合は前年同期から5%も増加し40%に拡大した。音楽ダウンロード販売のシェア1位はアイチューンズ。前年同期より1%の増加にとどまったもののシェアは70%と圧倒的な強さを示した。また、アマゾン・コムが3年前から始めた音楽配信サービス「アマゾンMP3(Amazon MP3)」のシェアは、前年同期より4%増加し12%となった。
音楽CD販売では、トップが17%のシェアのウォルマート。2位がベストバイの14%で、3位はアマゾン・コムの11%となっており、アマゾン・コムは音楽CD販売でもシェアを前年同期より2%伸ばした形となった。
トップ画像:アマゾンMP3の特価サイト「スペシャル・ディール(Special Deals)」。毎日の特価「デイリー・ディール」は、新発売のシングルやアルバムを対象に行われる販促で有名アーティストの楽曲(CDまるごとも)が激安になることがある。アップルのアイチューンズを脅かすことになっているため、アップルがレコード会社に圧力をかけていると司法局が動き出した。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。音楽販売ではアップルの音楽配信サービス「アイチューンズ」が圧倒的な強さを顕示しながらも、アマゾン・コムはCDとダウンロード販売のデュアル戦略で猛追している図式です。アマゾン・コムのダウンロード販売「アマゾンMP3」は3年前に立ち上がったばかりです。が、アップルはかなり焦っているようです。ニューヨークタイムズ紙は25日、アップルがレコード会社に対してアマゾン・コムが行っている1日限定ダウンロード販促「MP3ディリー・ディール(MP3 Daily Deal)」を止めるよう圧力をかけていることを司法局が問題にして調査中であると報じました。アップルが音楽配信で圧倒的というか、独占的地位にありますから、それを利用してレコード会社に圧力をかけているのかもしれません。ところで、電子書籍リーダーではアマゾン・コムのキンドルが圧倒的なシェアを誇っており、アップルのアイパッドが追撃しています。
⇒アマゾン・コムのCEOジェフ・ベゾス氏は25日に開かれた株主総会で、対アイパッド戦略についてキンドルの用途を読書に絞ることだとしました。「90%の世帯は読書に熱心ではない」としながらも、読書家の要求に応えられる端末にすることを焦点に置くと語ったのです。つまり「熱心な読書家」という狭いマーケットでの戦い方になるというのです。で、動画を見たり、音楽を聴いたり、ゲームをしたり、ウェッブサーフィンができるアイパッドとは「スマートフォンについているカメラみたいなもの」と喩えています。いい画像を撮りたい人は、別にコンパクトカメラや一眼レフカメラを持っているとし、同様に読書を楽しみたい人はキンドルを愛用するだろうとしているのです。アイパッドのLCD画面では「誰かにバックライトで目を照らされながら読書しているようなもので、目にストレスがかかる」として長時間の読書には耐えられないとしているのです。また、キンドルのカラー画面については「研究段階で、まだ普及できる商品の段階ではない」として「もうしばらく時間がかかる」とも語っています。
⇒ベゾス氏はキンドルのターゲット顧客を読書家に絞るとしていますが、ある熱心な読書家はキンドルを「つかえない」としています。その読書家とは大学生です。アメリカの大学では分厚いテキストブックを購入し、学生は授業に備えて読まなければなりません。アメリカのテキストブックは高額な上に重いしかさばるのです。で、アマゾン・コムではキンドルDX(キンドル2の大画面サイズで、価格は489ドル)を学生に貸し出し学生からの評価をテストしているのです。大学で電子書籍リーダーが使われるようになると一機にシェアが伸びますからね。実際、書籍販売売上は昨年、前年より1.8%減少しましたが、テキストブックの売上は12.9%も伸び、43億ドル市場になっているのです。それで学生からのキンドルDX評価は「不合格!」となりました。理由は「余白に走り書きができない」、「蛍光ペンでハイライトできない」、「表やグラフがカラーで表示されない」、「ページをあれこれめくるのにスピードが遅すぎる」、「本と違ってブックマークが機能的ではない」等とあります。読者が趣味の人にはいいけれど、本から情報を拾う学生や仕事にはむいていないということでしょうかね。ある大学では今秋、アイパッドをテストするようです。
アイチューンズで購入した音楽をアイポッドで聴きながら、キンドルを使って勉強をする学生をスタバで見かけるのはまだ先ですね。
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