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【サッカー】

俊輔 イングランド戦欠場も 最悪「ぶっつけW杯本番」も

2010年5月27日 紙面から

 ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場する日本代表のMF中村俊輔(31)=横浜M=が左足首痛を悪化させ、強化試合・イングランド戦(30日、オーストリア・グラーツ)を欠場する可能性が出てきた。日本代表は26日、羽田発のチャーター機で直前合宿地のスイス入り。搭乗前に取材に応じた岡田監督は、俊輔自身の要望を受け、戦列を離れ左足首の治療に専念させる方針を明らかにした。

 「悲劇」の後に、「悲報」が待っていた。まさに泣きっ面にハチ…。俊輔は24日の韓国戦で古傷の左足首を悪化させたといい、岡田監督は「もう少しキッチリ治したいという本人の意思もあるので、それを優先させたい」と、スイス・ザースフェーでの直前合宿では別メニューで調整させる考えを明かした。

 左足首痛の影響が大きかったのか、俊輔は韓国戦で大ブレーキだった。連係がかみ合わずに完全に孤立。活動量が乏しく、韓国守備陣の格好の餌食になった。スイス合宿でコンディションを上げ、連係面の修正に取り組むはずが、想定外の戦線離脱は大誤算だ。

 さらに、俊輔にとって「高地」は弱り目にたたり目。高地順化をスムーズにするために選ばれた高級スキーリゾート地・ザースフェーは標高1800メートル。一般的に高地では気圧が下がり酸素摂取量が減少するため、疲労の回復が遅れたり、睡眠が十分に取れない場合が多いと言われる。もちろん、故障の回復に関しても同様で、関係者は「けがの回復速度は平地より遅くなると考えた方が良い」と指摘。故障治療、疲労回復に効果がある高気圧酸素カプセル「ベッカムカプセル」とは、いわば“対極”の状態だ。

 俊輔の故障に関して、岡田監督は「痛みの具合との調整だが、(完治の)メドとして2、3日」と説明した。ただ、順調に回復したとしても、イングランド戦に万全の状態で臨むのは難しい。さらに、回復が遅れれば、「ぶっつけW杯」という最悪の事態にもなりかねない。俊輔中心にチームづくりを進めてきた岡田監督は「当然、けがとかコンディションが悪ければ試合に出られないのは当然だと思う」と話した。

 プレーを左右する故障を抱えているうえ、重要な最終局面でコンディションを上げられず、練習にも参加できないとなれば…。岡田監督は重大な「決断」を迫られるかもしれない。 (松岡祐司)

 

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