高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
170:今こそプロレス界に必要な「いかりや長介」
関連キーワード :プロレスおバカ五輪アントニオ猪木柔道ジャイアント馬場坂口征二三沢光晴
<2008年10月=東スポ・プロレス格闘技サイト「プロレスマニア堂」より>
プロ転向騒動も、ようやく一段落ついたと思われる柔道の石井慧選手。
もはや何をするにも報道陣が、彼の自由奔放な「失言」や「暴言」を待ち受けているようにも見られる。
石井選手の自由奔放ぶりを一層引き立てているのは、何といっても“天敵”とされる斉藤仁ヘッドコーチを始め「頭がカタい」と言われる全柔連のセンセイ方だろう。
石井選手はまだ若い。あるいはネタでなく本音で、うるさいセンセイ方から離れ、自由に発言し、行動できる身分を求めているのかも知れない。
ところがだ。いざ、こういう強い抑止力を持ったセンセイ方から離れてしまうと「自由奔放な~」と形容され、愛されるキャラクターは一転して、その魅力を失ってしまうのである。あるいは「生意気な~」「身勝手な~」「鼻につく~」といったイメージすらついてしまう危険性すら高い。
例えばだ。
ザ・ドリフターズのコントで、いつもバカな行動ばかりしている加藤茶や志村けんを「馬鹿もの!」「もっと真面目にやれ!」と怒鳴りつける、いかりや長介が存在しなかったとしよう。
カトちゃんも志村も自由奔放に、際限なくバカなことができる。でも、それは単にバカなだけで終わる。みんなバカなことをするカトちゃんや志村に笑いつつも、最後に彼らがいかりやに怒られるシーンをオチに、期待しつつ笑っているのだ。
思えば破壊王・故橋本真也さんの魅力である「バカな行動力」が最も魅力的に映っていたのは、上に長州力現場監督や、さらに上にアントニオ猪木会長や坂口征二社長がデ~ンと控えていた時代だった気がする。
蝶野正洋の反体制ムーブメントも、しっかりとした体制があってこそ輝くもの。自身が体制側に立ってしまえば最後、その魅力は半減する。自らゼロワンを旗揚げし、ハッスルのリングを含め、新日本時代以上に様々なハチャメチャぶりを発揮した破壊王だったが、今ひとつ大きな渦に成し得なかったのは、そこに「いかりや長介」たる人物が不在だったからだろう(ゼロワン旗揚げ期からの成り行きを見れば、三沢光晴が唯一、破壊王にとっての、いかりや長介に成り得たはずだった)。
小川直也が石井選手の早期プロ転向に、一貫して反対し続けている理由も、この辺りを危惧しているからだろう。そんな小川が現在も師匠・猪木とつかず離れずの関係を保っているのも、本能的に「いかりや長介」の存在を求めているからではないか?
その猪木自身も、ジャイアント馬場という「いかりや長介」が亡くなってからというもの、暴走ぶりが空回りしてしまうことが多い…。
プロレスは基本的に「何でもアリ」の世界。だからこそ「バカモン!」と一喝し、歯止めを効かせられる「いかりや長介」が必要なのだ。
プロ転向騒動も、ようやく一段落ついたと思われる柔道の石井慧選手。
もはや何をするにも報道陣が、彼の自由奔放な「失言」や「暴言」を待ち受けているようにも見られる。
石井選手の自由奔放ぶりを一層引き立てているのは、何といっても“天敵”とされる斉藤仁ヘッドコーチを始め「頭がカタい」と言われる全柔連のセンセイ方だろう。
石井選手はまだ若い。あるいはネタでなく本音で、うるさいセンセイ方から離れ、自由に発言し、行動できる身分を求めているのかも知れない。
ところがだ。いざ、こういう強い抑止力を持ったセンセイ方から離れてしまうと「自由奔放な~」と形容され、愛されるキャラクターは一転して、その魅力を失ってしまうのである。あるいは「生意気な~」「身勝手な~」「鼻につく~」といったイメージすらついてしまう危険性すら高い。
例えばだ。
ザ・ドリフターズのコントで、いつもバカな行動ばかりしている加藤茶や志村けんを「馬鹿もの!」「もっと真面目にやれ!」と怒鳴りつける、いかりや長介が存在しなかったとしよう。
カトちゃんも志村も自由奔放に、際限なくバカなことができる。でも、それは単にバカなだけで終わる。みんなバカなことをするカトちゃんや志村に笑いつつも、最後に彼らがいかりやに怒られるシーンをオチに、期待しつつ笑っているのだ。
思えば破壊王・故橋本真也さんの魅力である「バカな行動力」が最も魅力的に映っていたのは、上に長州力現場監督や、さらに上にアントニオ猪木会長や坂口征二社長がデ~ンと控えていた時代だった気がする。
蝶野正洋の反体制ムーブメントも、しっかりとした体制があってこそ輝くもの。自身が体制側に立ってしまえば最後、その魅力は半減する。自らゼロワンを旗揚げし、ハッスルのリングを含め、新日本時代以上に様々なハチャメチャぶりを発揮した破壊王だったが、今ひとつ大きな渦に成し得なかったのは、そこに「いかりや長介」たる人物が不在だったからだろう(ゼロワン旗揚げ期からの成り行きを見れば、三沢光晴が唯一、破壊王にとっての、いかりや長介に成り得たはずだった)。
小川直也が石井選手の早期プロ転向に、一貫して反対し続けている理由も、この辺りを危惧しているからだろう。そんな小川が現在も師匠・猪木とつかず離れずの関係を保っているのも、本能的に「いかりや長介」の存在を求めているからではないか?
その猪木自身も、ジャイアント馬場という「いかりや長介」が亡くなってからというもの、暴走ぶりが空回りしてしまうことが多い…。
プロレスは基本的に「何でもアリ」の世界。だからこそ「バカモン!」と一喝し、歯止めを効かせられる「いかりや長介」が必要なのだ。
プロフィル
高木圭介のプロフィル
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
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