きょうのコラム「時鐘」 2010年5月28日

 おかしな天気がいつまで続くのだろう。衣替え間近だというのに、さわやかな日は一向に続かない

ついこの間まで、部屋の隅にストーブがあった。何度も片付けようとし、また引っ張り出してきた。夏の火鉢と冬の扇。季節外れの役に立たないモノを「夏炉冬扇(かろとうせん)」というが、そんなちぐはぐな暮らしが続く

天気がこんな具合だから、人の心もおかしくなる。サッカーW杯の本番前に、指揮官が進退にからむ発言をしてファンを騒がせる。国技復興を声高に叫ぶほど、角界からは不祥事が次々と明るみに出る。万事ちぐはぐである

が、モノは考えよう。日本のサッカーはまだあの程度の力なのだろう。興行の世界と裏社会をつなぐ黒いきずなをすっぱり切れるほど、相撲協会は変われたのか。過度の楽観も悲観も禁物。多少のちぐはぐは、世の常である

とはいえ、いくら何でも、もうストーブはいらない。冬から使い続けたので、調子もおかしくなった。不順な天気のせいでもあるまいが、お役御免の声が掛かっても、居座る国の指導者たちがいる。わが家のストーブのように、不快な暖気ばかり出てくる。