国土交通省は27日、主要都市の地価動向報告を発表した。全国の主な商業地・住宅地計150地点のうち、4月1日時点で前回調査(1月1日時点)より地価が下落したのは全体の82%に当たる123地区で、前回調査の96%(144地点)から21地点減少した。また、福岡市・天神が2年ぶりに下落から横ばいに転じるなど、下げ止まりの動きも広がり始めた。
地価が前回より上昇したのは2地区。マンション開発が進む東京の佃・月島と、JRの新駅ができた川崎市の武蔵小杉。横ばいに転じた地区は、前回の5地区から22地区に増加。全体の約3割で下落幅が縮小した。
調査対象のうち九州は6地区。天神は、3月に旧岩田屋本館に福岡パルコが開業し、都心部の集客力が増したことが地価に反映された形。隣接する大名・赤坂地区も下落幅が縮小した。福岡の大濠と博多駅周辺、熊本市・下通り周辺の3地区は0-3%未満の下落。鹿児島市の鹿児島中央駅地区は横ばいで、いずれも変動はなかった。
地価は、2008年の金融危機以降、金融不安や景気低迷による不動産投資の縮小で、下落傾向が続いている。
=2010/05/28付 西日本新聞朝刊=