宮城のニュース

ペット殺処分が大幅減 犬10分の1、猫は半分に 仙台

仙台市動物管理センターに保護された犬たち。処分に至るケースをなくすために飼い主のモラルが求められている

 仙台市で飼い主から持ち込まれるなどして殺処分されるペットの数が大幅に減っていることが、市動物管理センター(宮城野区)のまとめで分かった。2009年度は犬がピーク時の約10分の1、猫が約半分に減少した。ただ、猫は依然年間1000匹以上が処分されており、センターは引き続きモラルある飼い方を求めている。

<引き取りなど減>
 センターの犬と猫の殺処分数の推移はグラフの通り。統計のある1993年度以降、最も多かった95年度は犬が448匹、猫が2665匹処分された。これに対し09年度は犬44匹、猫1373匹となった。
 減少の理由は、飼い主が何らかの事情でセンターに持ち込む「引き取り」や、街中などで保護する「抑留」の数が減ったこと。93年度は犬の引き取りが716匹、抑留が397匹あったが、2009年度はそれぞれ85匹、248匹に減った。
 猫の場合も90年代は毎年度、2500匹前後あった引き取りと抑留が、ここ2年間は1600匹台にまで減っている。

<放し飼い猫繁殖>
 背景には動物管理の法整備がある。2000年に動物虐待の罰則を強化した動物愛護法が施行され、06年には動物取扱業者が登録制になった。市も独自に指針を定めて動物愛護を啓発しており、ペットを守ろうという風潮が広がっている。
 保護した動物を新たな飼い主に譲渡する取り組みも効果を上げている。センターはボランティア団体と連携して定期的に犬の譲渡会を開催。ここ数年は年間100匹以上が引き取られている。
 猫も09年度は211匹が譲渡された。しかし犬と異なり、放し飼い状態で繁殖させてしまうケースなどが多く、引き取りや抑留の数が犬のようには大きく減らず、救い切れていないのが現状だ。

<不妊手術増える>
 迷子になっても居場所が分かるマイクロチップの装着や不妊手術を行う飼い主が増えた一方、「数が増えた」「引っ越しするのでもう飼えない」といった身勝手な理由で持ち込まれる事例もまだなくならない。
 動物管理センターは「飼い主は動物たちの命の重さをしっかり受け止め、最期まで面倒を見てほしい」と呼び掛けている。


2010年05月27日木曜日

Ads by Google
ロード中 関連記事を取得中...

宮城
RSS

△先頭に戻る

新着情報
»一覧
特集
»一覧
  • 47NEWS
  • 47CULB