民主党市議の死去に伴う横浜市議泉区補選(改選数1)は28日、告示される。民主、自民、みんなの各党が新人を擁立し、7月11日の日程が固まった参院選の前哨戦と目され、三つどもえの激しい選挙戦が予想される。投開票は6月6日。3月2日現在の選挙人名簿登録者数は12万5689人(男6万2052人、女6万3637人)。【杉埜水脈、木村健二】
議席死守を目指す民主党は「弔い合戦」と強調し、死去した中島憲五市議と同じく横浜市教職員組合(浜教組)出身の麓理恵氏(51)を公認した。
「政治とカネ」や米軍普天間飛行場の移設問題による逆風の中、参院選に加えて来春には統一地方選も控えるとあって、地元・神奈川5区の田中慶秋衆院議員は「あらゆる所に影響する」と危機感を隠さない。
投票率が低くなりがちな補選とあって、まずは浜教組を中心とした組織票固めを図り、「(浮動票頼みの)『空中戦』ではなく『地上戦』で臨む」(陣営幹部)構えだ。
自民党が擁立したのは、横浜青年会議所の元常任理事で、区内の葬儀会社社長、萩原雅彦氏(43)。党市連の佐藤祐文幹事長は「地域に密着して行動できる人」を人選にあたって重視したといい、「国政と地方議会は違う」と強調する。
「自民党は組織政党」(田中忠昭・市連総務会長)とのスタンスで、区内の支部組織を中心とした地道な支持層固めを図る。
3人の中では一番遅い13日に出馬表明したこともあり、現職の若手市議らとともに連日、駅前などでつじ立ちし、浸透を図っている。
補選が決まって真っ先に動いたのが、報道各社の世論調査で支持を伸ばしているみんなの党だった。江田憲司、浅尾慶一郎両衆院議員が同席した6日の記者会見で、造園会社社長の横山勇太朗氏(36)の公認を発表。自民の現職市議が父親とあって、第三極の象徴的な存在と印象づけた。
3月の逗子市議選で公認候補が1、2位を独占して躍進が注目されたが、浅尾氏の地元の逗子と異なり、今回の補選を「参院選や都市部を占う大事な選挙」(江田氏)と位置付け、告示後は、党所属の国会議員らが応援に入るという。
毎日新聞 2010年5月27日 地方版