最終更新: 2010/05/27 13:13

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口蹄(こうてい)疫被害 発生源から半径10km圏内を対象としたワクチンの接種開始

宮崎県で家畜伝染病・口蹄(こうてい)疫の感染が広がっている。口蹄疫の発生源から半径10km圏内を対象としたワクチンの接種が、22日から始まった。
車に次々と積み込まれる青い発泡スチロールのケースは、口蹄疫感染の拡大を遅らせるためのワクチン。
21日夜、政府の補償内容などについて、東国原宮崎県知事と関係自治体が合意に達したため、22日からワクチン接種が始まった。
国内では初めてで、ワクチン接種後は全頭殺処分される。
東国原知事は、「(農場の方は)われわれが犠牲になることによって、本県、あるいは九州、全国の畜産を守るんだという高い使命と言いますか、使命感、あるいは責任感を持っていらっしゃいました」、「ワクチンを打ったからといっても、安心しないでいきたい。これまで以上に、防疫対策を徹底していただきたいと」と述べた。
22日は、高鍋町や木城町など6つの農場で、獣医師70人が豚およそ2万頭に接種を行っている。
ワクチン接種は、半径10km圏内の周縁部から始まり、中心地に向けて輪を狭めるように実施される。
そうした中、西都市へ避難させていたエース級種牛6頭のうち、1頭から新たに感染の疑いが見つかった。
「忠富士」と呼ばれるこの牛は、6頭の中でも最も精液の供給量が多く、県内No.1の種牛と言われていた。
しかし、22日中には殺処分される。
わずか6頭だけで宮崎県産の子牛のおよそ9割を賄ってきたエース級種牛。
残る5頭は、今のところすべて陰性で、引き続き経過観察中。
東国原知事は、「本当にわらをもつかむ思いなんですが、ほかの5頭に移ってないことを祈ると」と述べた。
JA宮崎中央会・羽田正治会長は、「100年、品種改良やってきて、日本一の種をつくったわけよ。だから5頭は、なんとか生き残ってほしい」と述べた。
政府の現地対策チームは、5頭の扱いを慎重に検討している。
山田農水副大臣は、「(5頭は)宮崎県にとっては大事な種牛だと思っています。かといって、そのままでいいのかどうか、ここは大臣と相談させていただこうと」述べた。
都城市の農家・重久義輝は、「何とか、元の畜産王国宮崎に、1日も早く返ることを祈るだけでございます」と話した。
拡大を続ける口蹄疫被害に対し、鳩山首相は22日午後に、首相公邸で赤松農水相らに事態収拾に向けた迅速な対応を指示した。
小川首相補佐官は、「(鳩山首相からの指示は?)『いずれにせよ、スピード感が大事だから、県や地元の皆さんと協力して、しっかりと仕事を進めてくれ』と言われました」と話した。

(05/22 17:47 テレビ宮崎)


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