最終更新: 2010/05/27 12:54

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口蹄(こうてい)疫被害 宮崎牛の流通をめぐり国内や海外にも余波が広がる

宮崎県で家畜伝染病・口蹄(こうてい)疫の感染が広がっているが、この宮崎牛の危機は、宮崎牛だけの問題ではない。
宮崎県産の子牛のおよそ4割が県外に出荷されていて、日本各地でブランド牛として育てられている。
例えば、松阪牛は44%が宮崎生まれ。
さらに近江牛はおよそ40%、佐賀牛で有名な佐賀県産の黒毛和牛は15%が宮崎生まれ。
このため、口蹄疫問題の影響は、各地のブランド牛にも及ぶおそれがある。
そして宮崎牛の流通をめぐっては、国内だけではなく、海外にも余波が広がっているもよう。
三重・松阪市にある牛舎。
ここで飼育する松阪牛のうち、200頭以上が、今回、口蹄疫に感染した疑いが見つかった忠富士の子牛。
種牛にも被害が及んだことで、宮崎から子牛を仕入れている松阪牛の生産者も、大きなショックを受けている。
瀬古食品の瀬古社長は、「正直言ってびっくりしました。大事な牛で、非常に残念に思っております」と話した。
今回の事態を受け、他県の子牛を仕入れることも考えているという。
一方、神奈川・横浜市の精肉店「こだわり家金子精肉店」で仕入れる牛肉は、8〜9割が宮崎産。
店員は、「(宮崎牛にこだわる理由は?)もうたったひと言。コクがあるんですよ」と話した。
今のところは在庫があるため、宮崎牛の販売を続けられているという店だが、不安もある。
店員は、「問屋さんは『大丈夫だ、大丈夫だ』って言ってくれてるんですけど、『本当に大丈夫なの?』っていう感じなんですよ」と話した。
店に宮崎牛を買いに来たお客さんも、「不安ですよね」、「(宮崎牛を)見守って、また応援していくべきじゃないかなって思いますけど」などと話した。
口蹄疫拡大の影響は、国内だけではない。
宮崎など日本から牛肉を輸入しているアメリカ・ロサンゼルス市内の食品輸入業者の倉庫では、通常、日本からの輸入牛肉およそ300箱が冷凍保存されているという。
しかし、4月21日、アメリカ政府は日本からの牛肉の輸入を全面禁止した。
今、この倉庫に残っているのは、わずか36箱で、このうち19箱が宮崎からのものだという。
食品輸入業者「ポセイドン」の清水副社長は、「3割くらいが宮崎産なので。いいお肉で、お客さまの方に喜ばれていましたので、早期に対処していただいて、また再輸出ができる形を望んでいます」と話した。
日本人が経営するロサンゼルス郊外の焼き肉店からは、宮崎牛が姿を消したという。
しかし店内には、ポスターが張られたままだった。
「焼肉たまえん」の東山社長は、「全然、(日本からの)輸入牛が入ってこないので、お客さんも『食べたい』言うて、待ってるんですけど」と話した。
海を越えて影響が出始めた口蹄疫。
拡大を防ぐための早急な対策が求められている。

(05/22 18:49)


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