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郵便不正公判、大半の供述調書証拠採用せず 検察側窮地(1/2ページ)

2010年5月27日3時14分

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 郵便割引制度を悪用した偽の証明書発行事件をめぐり、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省元局長の村木厚子被告(54)の第20回公判が26日、大阪地裁であった。横田信之裁判長は、捜査段階で元局長の事件への関与を認めたとされる元部下らの供述調書計43通のうち34通について、「検事の誘導で作られた」などの理由で証拠として採用しないことを決めた。有罪立証の柱の大部分が失われたことになり、検察側は極めて厳しい状況に追い込まれた。

 公判後、記者会見した村木元局長の弁護団は「無罪は動かしがたい」と指摘。元部下らは元局長の公判で調書内容を否定しており、刑事裁判に詳しい専門家も「密室で作られた調書よりも公判証言を重視したことの表れだ。元局長は無罪となる公算が大きい」と話している。

 検察側が証拠請求したのは、元局長の共犯とされた元担当係長の上村(かみむら)勉被告(40)=同罪で起訴=の調書15通▽元上司の元障害保健福祉部長(58)の調書7通▽自称障害者団体「凛(りん)の会」元会長、倉沢邦夫被告(74)=一審は一部無罪、検察側が控訴=の調書6通など計8人の計43通。

 横田裁判長は上村被告の15通について、取り調べを担当した検事が「記憶があやふやなら関係者の話を総合するのが合理的。いわば多数決。私に任せて」と話し、検事が思い描く調書を作ったと指摘。上村被告が訂正を求めても応じず、意思に反した調書が作られたなどとして、採用しなかった。取調官の暴行や脅迫などではなく、意思に反した調書を取られたことを理由に採用を却下するのは異例。

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