12球団最強の中継ぎ陣で新記録をつくる。中日は26日、予定されていた富山での日本ハム戦が雨天中止。現在19ホールドポイント(HP)でリーグトップを走るセットアッパー・浅尾拓也投手(25)が、チーム全体でのシーズンHP記録更新を目標に掲げた。ここまで竜の心臓部として動いてきたリリーフ陣はまだまだ元気。球史に刻まれる数字を残す。
日本記録ペースで数字を積み上げている投手がいる。目下19HP。リーグ1位を走る浅尾だ。「ボクは1試合、1試合を全力で投げるだけ。記録のことは考えてないです」。本人にとっては日々の積み重ね。これが過去最速ペースなのだ。
HPのシーズン記録は阪神・久保田が持つ「55」。浅尾の19HPをフルシーズンに換算すれば「55・8」になる。わずかに上回っている。
記録として残る個人の数字。浅尾の野心はそこにはなかった。「チームとしてシーズン記録をつくれればいいですね。リリーフのピッチャーみんなで」。あまり取り上げられることのないチーム総HP数。浅尾はここに目標を一つ立てる。
目下のチーム総HPは44。ソフトバンクの同41に3差をつけて12球団トップだ。年間換算すれば「131・9」。シーズン最高記録は07年阪神の「151」だけに高いハードルだが、今年のリリーフ陣にはやってくれそうな勢いがある。
個人記録やタイトルはもちろん大事。一方で、もっと充足感を与えるものがある。「みんなでいい結果を出して勝てれば」。ブルペン一体で得た勝利の快感だ。
「ブルペンでの役割分担ができていることもあると思うし、しっかりと体のケアもしてもらっていますから。今年は登板数の割には疲労感が少ないですね」
浅尾と高橋のセットアッパーコンビは高速回転してきた。浅尾が26試合で19HP、高橋が24試合で17HP。試合数もHPもこの2人がリーグの1、2位を占めている。なのに、疲労感が軽減されているという。登板準備の投球など、ブルペンでのやりくりがうまく回っているようだ。
Wセットアッパーを柱とした最強リリーフ陣が、ここまでの戦いを救ってきた。先発陣に安定感がなく、野手陣もいまひとつ乗れなかった。救援陣は変わらず好調で、交流戦もここまで救援失敗ゼロという盤石ぶり。竜の“心臓”は記録的なペースで働いてもへこたれない。
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