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【社会】

大阪地裁、供述調書証拠採用せず 厚労省元局長無罪の公算大

2010年5月26日 21時23分

 厚労省文書偽造事件の公判で大阪地裁に入る村木厚子被告=26日午後

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 郵便制度悪用に絡む厚生労働省の文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた元同省局長村木厚子被告(54)=休職中=の公判で大阪地裁は26日、村木被告の指示を認めた元係長上村勉被告(40)の供述調書15通について「検察側が誘導した可能性がある」と、すべて証拠採用しないことを決めた。

 検察側主張の最大の根拠だった重要な調書が証拠採用されなかったことで、9月にも予定される判決は無罪が言い渡される公算が大きくなった。

 検察側が証拠請求していたのは、上村被告のほか自称障害者団体「凜の会」設立者倉沢邦夫被告(74)ら8人の供述調書計43通。横田信之裁判長はこのうち9通だけを採用したが、元局長の直接的関与を示す調書はすべて証拠採用しなかった。村木被告の弁護人は閉廷後「これで無罪判決は動かない」と述べた。

 横田裁判長は決定理由で、上村被告が調書の訂正を求めたのに取り調べの検察官が応じなかった点を重要視。検察官が「記憶なんてあいまいだから、取り調べた関係者の多数決で決めよう」と調書への署名を求めたとされる点にも触れ「取り調べに問題があったと言わざるを得ない」と指摘した。

(共同)
 

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