JR九州グループが運航する、博多‐釜山の高速船「ビートル」の累計乗船客数が26日午前の博多発便で400万人に達し、同市博多区の博多港国際ターミナルで記念セレモニーがあった。1991年3月の釜山線就航以来、20年目。
セレモニーでは400万人目の乗船客となった京都府城陽市の会社員、上田由香里さん(32)に、運航するJR九州高速船(福岡市)の丸山康晴社長から記念品が贈られた。社員旅行で釜山に出掛けるという上田さんは「ビートルは初めて。釜山ではおいしいものを食べたい」と話していた。丸山社長は「今秋には韓国高速鉄道(KTX)、来春には九州新幹線が全線開通し、日韓の新幹線をビートルが結ぶ。500万人へペースを上げたい」とあいさつした。
ビートルは、最高時速80キロの水中翼船「ジェットフォイル」で、所要時間2時間55分。乗船客数は2004年度の約35万3千人をピークに、09年度は景気低迷、新型インフルエンザの影響で、前年度比約7万人減の約23万8千人となった。
福岡県と釜山を結ぶ路線には、韓国の格安航空会社エアプサンや、国際フェリー「セコ・マル」も参入。ビートルも400万人達成記念で、通常の半額運賃(往復1万3千円)を打ち出し、価格競争が激化している。
=2010/05/26付 西日本新聞夕刊=