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“黒い特別席”権利者は入場券発行知らず
昨年7月の大相撲名古屋場所で、木瀬親方(40=元幕内・肥後ノ海)と清見潟親方(64=元幕内・大竜川)が手配した特別席の券を指定暴力団山口組系弘道会幹部らが入手、観戦していた問題で、本来、この席の権利を持っている関係者が観戦に必要な入場券が発行されたのを知らなかったことが26日、愛知県警への取材で分かった。
この特別席は一般販売されていない土俵下の「維持員席」で、一定金額を寄付した有力後援者に6年間、無料で割り当てられる。通常、維持員証明書と入場券を提示して入場する仕組み。しかし実際には「お茶屋」と呼ばれる相撲案内所が、席の権利を手放そうとする維持員がいる場合、権利を預かり、日本相撲協会から券を入手して販売することがあるといい、県警は券が案内所から販売されたとみている。
県警などによると、この維持員は「入場券が発行されたのを知らなかった」などと説明。券を手配した2人の親方から依頼を受けた案内所が権利者に知らせずに、券を販売していたという。
知人の自称コンサルタントの男性から依頼を受けた木瀬親方が清見潟親方を通じたり、直接、名古屋市の案内所から券を入手、男性に渡し、複数の人物を介し、弘道会幹部らに渡っていた。これとは別に、もう1つの案内所から弘道会幹部に渡ったケースもあるといい、県警が確認している。
木瀬親方は4、5年前から男性に頼まれていたとし「そのようなところ(暴力団幹部)に回るとは思っていなかった」と釈明した。
一方、相撲協会の監督官庁である文部科学省は、協会の八角広報副部長(元横綱・北勝海)らを呼び出し説明を求めた。
≪2親方、降格処分も≫日本相撲協会は27日に東京・両国国技館で理事会を開き、木瀬親方と清見潟親方の処分を検討する。理事からは「きっちりやらないといけないでしょう」との声もあり、降格などを含めた厳しい処分の可能性もある。また、大関・琴光喜が野球賭博疑惑を報じられた件では、陸奥生活指導部長(元大関・霧島)が現状を報告する。琴光喜の師匠、佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は26日、「特になにもありません」と話したが、部屋の力士には外出禁止が言い渡されているという。
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