高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
169:侍ジャイアンツ~あの替え歌はもう聴けないの?
<2009年5月=東スポ携帯サイトより>
この4月から東京MXテレビにて「侍ジャイアンツ」(1973年~、日本テレビ系)の再放送(毎週日曜午後5時30分~)がスタートした。
ケーブルTVやスカパー系列局では最近も何度か再放送されていたが、東京地区での地上波再放送は、たしか1985(昭和60)年以来となるはずだ。
説明するまでもないが、この作品はV9時代の川上監督率いる読売巨人軍に入団した主人公・番場蛮の破天荒な活躍を描いた痛快スポ根モノ。かの名作「巨人の星」が徹底的にストイックに、特にプロ入り意向は陰のムードが漂っていたのとは対照的に、この作品は主人公の性格同様、徹底的に明るい。魔球もたった1話で完成してしまうのだから痛快だ。
先のWBCで原辰徳監督が命名した「侍ジャパン」なる、いかにもなネーミングといい、息子・亀田興毅の世界王座奪取の際に“亀父”こと亀田史郎氏が息子に贈った手紙の文面が、テレビ版最終回で、川上監督が番場に送ったメッセージとソックリだったりと、現在も「侍ジャイアンツ」に影響を受けているオトナ(それも結構、イイ年の)は思いのほか多い。
毎週日曜の夕方にMXテレビにチャンネルを合わせているのだが、何だか微妙に印象が違う。
そう。番場蛮が打席に向かう時に声高らかに歌う「♪球を打つのが野球屋ならば~。あの娘のハートがなぜ打てぬ~」という歌が登場してこないのだ。
今回の再放送では、なぜか曲だけがそのまま。「♪らら~んらららららら~」と番場の鼻歌に改ざんされている。
第1話の冒頭、土佐嵐高校時代の番場が、この歌を歌いながら打席に向かうシーンがある。
番場の歌に呼応して、観客席の少女たちが「蛮ちゃ~ん、一体、誰のハートを射抜きたいのよ~」と野次を飛ばすのだが、鼻歌だとストーリーが全くつながらない(ちなみに番場は「やかましい。オレに射抜かれたかったら、鏡に相談して、おととい来な!」「ざまあみやがれ!ブス連隊の大根歩兵ども!」と悪態連発で反撃する)
番場蛮が口ずさむ歌は、戦前映画「侍ニッポン」主題歌の替え歌だ。
「侍ニッポン」(作詞・西條八十、作曲・松平信博)は後に村田英雄センセイなんかも歌唱していた日本のスタンダードナンバーだった。
だが現在となっては「♪人を斬るのが侍ならば~、恋の未練がなぜ斬れぬ~」の原曲よりも、圧倒的に番場蛮歌唱の替え歌のほうが知名度は高い。私も番場蛮の歌ありきで、元の原曲を知ったクチである。
この番場の替え歌に作詞者・西條八十(「青い山脈」や「東京音頭」もこの人の作詞)の遺族側からクレームがついたとかで、1994年発売のレーザーディスク版から、番場の歌が番場役の声優・富山敬による鼻歌に変更。以降のCSやケーブルTVにおける再放送、DVDなどは、すべてこの“鼻歌バージョン”が使用されている。
富山敬は1995年に急逝しているから、場合によってはこの鼻歌が、別の声優による、もっと不自然なモノとなっていた可能性も高かった。
細かい法律のことは知らないが、作曲者のクレームならばともかく、替え歌には関与していない(元ネタにはなっているが)作詞者、それも遺族側の意向で劇中歌が封印されたケースというのも珍しい。
この理屈だと、例えば米国民謡「リパブリック讃歌」の日本輸入版である「ごんべいさんの赤ちゃん」や「おたまじゃくしはカエルの子」「友だち賛歌」(♪一人と一人が手を組めば~)の作詞者のうち、誰かがクレームをつければ、かの有名なヨドバシカメラのCMソングすらも鼻歌に変えられてしまうという
ケースも考えられる。
原監督率いる「侍ジャパン」のWBC優勝の恩赦として、番場蛮のあの歌も、そろそろ解禁して欲しいモノだ。
この4月から東京MXテレビにて「侍ジャイアンツ」(1973年~、日本テレビ系)の再放送(毎週日曜午後5時30分~)がスタートした。
ケーブルTVやスカパー系列局では最近も何度か再放送されていたが、東京地区での地上波再放送は、たしか1985(昭和60)年以来となるはずだ。
説明するまでもないが、この作品はV9時代の川上監督率いる読売巨人軍に入団した主人公・番場蛮の破天荒な活躍を描いた痛快スポ根モノ。かの名作「巨人の星」が徹底的にストイックに、特にプロ入り意向は陰のムードが漂っていたのとは対照的に、この作品は主人公の性格同様、徹底的に明るい。魔球もたった1話で完成してしまうのだから痛快だ。
先のWBCで原辰徳監督が命名した「侍ジャパン」なる、いかにもなネーミングといい、息子・亀田興毅の世界王座奪取の際に“亀父”こと亀田史郎氏が息子に贈った手紙の文面が、テレビ版最終回で、川上監督が番場に送ったメッセージとソックリだったりと、現在も「侍ジャイアンツ」に影響を受けているオトナ(それも結構、イイ年の)は思いのほか多い。
毎週日曜の夕方にMXテレビにチャンネルを合わせているのだが、何だか微妙に印象が違う。
そう。番場蛮が打席に向かう時に声高らかに歌う「♪球を打つのが野球屋ならば~。あの娘のハートがなぜ打てぬ~」という歌が登場してこないのだ。
今回の再放送では、なぜか曲だけがそのまま。「♪らら~んらららららら~」と番場の鼻歌に改ざんされている。
第1話の冒頭、土佐嵐高校時代の番場が、この歌を歌いながら打席に向かうシーンがある。
番場の歌に呼応して、観客席の少女たちが「蛮ちゃ~ん、一体、誰のハートを射抜きたいのよ~」と野次を飛ばすのだが、鼻歌だとストーリーが全くつながらない(ちなみに番場は「やかましい。オレに射抜かれたかったら、鏡に相談して、おととい来な!」「ざまあみやがれ!ブス連隊の大根歩兵ども!」と悪態連発で反撃する)
番場蛮が口ずさむ歌は、戦前映画「侍ニッポン」主題歌の替え歌だ。
「侍ニッポン」(作詞・西條八十、作曲・松平信博)は後に村田英雄センセイなんかも歌唱していた日本のスタンダードナンバーだった。
だが現在となっては「♪人を斬るのが侍ならば~、恋の未練がなぜ斬れぬ~」の原曲よりも、圧倒的に番場蛮歌唱の替え歌のほうが知名度は高い。私も番場蛮の歌ありきで、元の原曲を知ったクチである。
この番場の替え歌に作詞者・西條八十(「青い山脈」や「東京音頭」もこの人の作詞)の遺族側からクレームがついたとかで、1994年発売のレーザーディスク版から、番場の歌が番場役の声優・富山敬による鼻歌に変更。以降のCSやケーブルTVにおける再放送、DVDなどは、すべてこの“鼻歌バージョン”が使用されている。
富山敬は1995年に急逝しているから、場合によってはこの鼻歌が、別の声優による、もっと不自然なモノとなっていた可能性も高かった。
細かい法律のことは知らないが、作曲者のクレームならばともかく、替え歌には関与していない(元ネタにはなっているが)作詞者、それも遺族側の意向で劇中歌が封印されたケースというのも珍しい。
この理屈だと、例えば米国民謡「リパブリック讃歌」の日本輸入版である「ごんべいさんの赤ちゃん」や「おたまじゃくしはカエルの子」「友だち賛歌」(♪一人と一人が手を組めば~)の作詞者のうち、誰かがクレームをつければ、かの有名なヨドバシカメラのCMソングすらも鼻歌に変えられてしまうという
ケースも考えられる。
原監督率いる「侍ジャパン」のWBC優勝の恩赦として、番場蛮のあの歌も、そろそろ解禁して欲しいモノだ。
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