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【ドラニュース】


地方球場の鬼・健太見参

2010年5月26日 紙面から

ランニング中におどける朝倉(右)を見て笑う吉見(左)とチェン=ナゴヤドームで(榎戸直紀撮影)

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 好調日本ハムの前に、“地方球場の鬼”が立ちふさがる。26日から富山、金沢と続く2連戦で、中日は交流戦首位を走る日本ハムと対戦する。27日の第2戦で先発が予想されるのが朝倉健太投手(28)。地方球場で絶対的な強さを誇ってきた右腕が、北陸の地で巨人追撃の勢いを加速させる。

 不慣れなマウンド、狭いグラウンド−。他の投手にとっては「逆風」になるような悪条件も、朝倉は「追い風」に変えてしまう。年に一度の北陸シリーズへ、数々の地方球場を制してきた右腕が満を持して出陣。「どこで投げても一緒です。与えられた役割を果たしたい」。サラリと意気込みを示すと、北陸路への特急に乗り込んだ。

 残してきた数字は圧倒的だ。過去に12球団の本拠地以外の地方球場では18試合に登板し、11勝2敗。防御率は2・30。昨季も4試合で先発に起用され、2勝1敗と結果を残した。「タマタマですよ」と朝倉は笑うが、もはや偶然では片付けられない強さだ。

 ピッチングは精密機械のように繊細なもの。マウンドの高低や傾斜、屋外球場ならば風向きや気温も投球を左右する。だから、不慣れな地方球場は避けたいと思うのが投手心理。かつてのエース・川上(現ブレーブス)はドーム球場での登板を好んでいた。

 朝倉のように場所を選ばないタイプは珍しい。「意識しても仕方がない。マウンドに上がってみないと感触は分からない。『投げにくい』とは考えないようにしています」。このずぶとさが、大きな武器になっている。

 先発マウンドが予想される石川県立野球場は両翼が91・5メートルしかない。“投手受難の球場”だが、ここでも朝倉は通算2試合に登板して1勝負けなし。試合当日の天気予報は雨模様だが、「降ったら降ったでしょ」と明るく語った。どこでも、どんな状況下でも−と言わんばかりだ。

 最近2試合の登板では連敗を喫した。いずれも早い回でKOされ「大量点を取られる展開が多い。繰り返しはいけない」と反省した。先発ローテーション死守へ、そしてチーム浮上へ。相性抜群の地方球場から、朝倉の逆襲が始まる。 (木村尚公)

 

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