福井からモスクワバレエに　宮川新大さん、日本男性初

　「ミヤガーワ」。３月、米・ニューヨークで開かれた世界最大級の国際バレエコンクール。奨学金や就職先が決まる表彰式終盤、バレエ団のスカウト発表でただ一人名前を呼ばれ、拍手と歓声に包まれた。舞台で緊張の面持ちの宮川新大さん（１８）＝福井市＝に審査員が歩み寄り、入団案内状を手渡し肩をたたいた。

　プロダンサーとして入団するのはロシアの名門「国立モスクワ音楽劇場」。日本人男性で初という。

　身長１７６センチ、体重５９キロ、高い柔軟性に優美な動作。空中で両足を打ち合わせる「アントルシャ」という動きも「プロ水準」と評価された。

　バレエを教えていた母の影響で始めたのが６歳。１１歳で国際コンクール日本予選で１位になり、ドイツ政府などから奨学金を獲得、シュツットガルトのバレエ学校に単身で留学した。

　「先生が『踊れない』と判断すると、翌日にも学校を辞めさせられる」という厳しい環境がプロ意識をはぐくんだ。