アントニオ猪木(左)と対戦するラッシャー木村(81年11月)
「金網の鬼」の異名をとり、ユニークなマイクパフォーマンスでも人気を博したプロレスラーのラッシャー木村=本名・木村政雄=さんが、24日午前5時30分、腎不全による誤嚥(ごえん)性肺炎のため都内の病院で死去した。68歳だった。
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81年から約3年間、木村さんと死闘を展開したアントニオ猪木・IGF会長(67)はこの日、都内で「1週間くらい前に夢に(木村さんが)出たんですよ。プロレスの夢はあまり見ないんですが」と、虫の知らせがあったことを明かした。木村さんとは20年以上も会っておらず、夢見をきっかけに「具合が悪いのは聞いていたので時間があったら一回、見舞いでもしようと思っていた」というが、再会は幻に終わった。
猪木が思い出の試合に挙げたのは82年9月21日、大阪府立体育会館での敗者髪切りマッチだ。敗れた木村さんが髪を切らずに逃走した試合で「暴動になって大阪府立が壊されちゃったけど、それくらい熱かった」としみじみ。「いいキャラクター、いい感じのレスラーでした。みんな旅立っていって寂しい」と、好敵手の死を悼んだ。
(2010年5月25日)