サッカー日本代表の岡田武史監督(53)は25日、前日に行われたW杯壮行試合を兼ねた韓国代表との試合後、日本協会の犬飼基昭会長(67)に進退を伺った件が、冗談での発言だったと弁明した。選手たちはこの日、指揮官の“無責任発言第2弾”にも動揺した様子はなく、さいたま市内で軽めの調整を行い国内合宿を打ち上げた。26日未明にチャーター機で直前合宿地のスイスに出発。6月6日に南ア入りする。
◇ ◇
この日も周囲に耳を疑わせた。惨敗から一夜明け、指揮官は薄ら笑いを浮かべて言い放った。「進退伺?冗談…じゃないけど、そんなにみんなが真剣にとらえるとは思わなかった。会長に言ったこと自体は、全然そんな真剣に言ったわけではない」。W杯での指揮を放棄するような暴言の弁明もまた、あまりに子供じみた言い訳だった。
韓国に0‐2と完敗を喫した直後、壮行試合を観戦したサポーターへのあいさつを投げ出し、犬飼会長に「会長もいろいろ言われるけど、僕でいいんですか」と伺い、直後の会見で青白い顔を浮かべながらそれを暴露。だが、この日は一転「真剣に言ったわけではない」と取り繕う始末。練習前のピッチ上で行われたミーティングでは、選手に対して「あれは冗談の発言だった」と伝えたというから驚きだ。
練習後に首相官邸を表敬訪問した後に犬飼会長と会談し、「僕でいいんですか、というのは、僕がやりたいという意味だった。言葉足らずで申し訳ない」と、これまた報道陣への弁明とは整合性の付かない言い方で釈明。事実上、現段階での監督交代は不可能なだけに同会長も「どうせ(責任問題について)聞かれるだろうから、先に言ったと聞いている」と、苦しい擁護をせざるを得ない状況だ。
指揮官は“冗談”と言い張るが、日本協会の原技術委員長からは「(勘違いを生む)余計なことは言わないでください」と厳重注意を受けた。無責任の上塗りとなる“冗談発言”。W杯ベスト4という目標も、もはや大風呂敷を広げた“冗談”にしか聞こえない。