静岡県熱海市などの観光ホテルを実質的に経営する会社が、「保証金を預ければホテルの宿泊券がもらえるうえ、5年後に全額が戻ってくる」と説明して不正に資金を集めた疑いが強まり、警視庁は出資法違反の疑いで関係先を一斉に捜索しています。ホテルでは10年前から元暴力団員が経営にかかわっていたということで、集めた金の一部が暴力団の資金源になった疑いもあるとみて捜査する方針です。
捜索を受けているのは静岡県熱海市の「岡本ホテル」や、系列の11の観光ホテルを実質的に経営する東京・中央区の「オー・エム・シー」など数十か所です。警視庁の調べによりますと、オー・エム・シーは、「保証金を預ければホテルの宿泊券がもらえる。宿泊券は使い切れなくても換金ができ、5年後には保証金の全額が戻ってくる」と説明して「岡本倶楽部」というリゾートクラブの会員を募り、不正に資金を集めた疑いが持たれています。熱海市の「岡本ホテル」は、昭和7年創業の老舗のホテルですが、警視庁などによりますと、バブル崩壊後に経営難に陥り、10年前からは元暴力団員が経営コンサルタントとして実質的な経営にかかわっていたということです。警視庁はオー・エム・シーが、この5年間に200億円以上を集め、一部が暴力団の資金源になった疑いもあるとみて捜査する方針です。