JR博多駅前広場のシンボルとして親しまれている、英国の著名な彫刻家ヘンリー・ムーアが制作したブロンズ像「着衣の横たわる母と子」が25日、JR九州によって一時撤去された。来年3月の九州新幹線鹿児島ルート全線開通と新博多駅ビル開業へ向け、JR九州が福岡市と進めている「新博多駅前広場」の建設工事に伴い、同市内の倉庫に一時保管されることになったためで、来年2月に戻ってくる。
ブロンズ像は、福岡市制100周年を記念して、市民と企業の募金や市の事業費など約3億円をかけて1988年に設置された。縦約1・4メートル、横約2・6メートル、高さ約1・4メートル。横たわった母の懐に幼子が抱かれており、人間らしい温かみが伝わってくる作品。
約1週間前から撤去の準備作業を進め、この日はビニールなどで梱包(こんぽう)されたブロンズ像をクレーンでつり上げ、トラックで倉庫まで運んだ。再設置場所は、新博多駅前広場内の樹木などが配置される「緑陰広場空間」で夜間照明によるライトアップも検討されている。
=2010/05/26付 西日本新聞朝刊=