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口蹄疫で揺れる宮崎

口蹄疫で揺れる宮崎
2010年5月25日 10:40

 宮崎県、いや日本の畜産に危機が訪れている。宮崎県家畜改良事業団で飼育されていた種牛49頭に殺処分が迫っているのは、多くのメディアで報じられている通り。同事業団では口蹄疫に感染した疑いのある牛が確認されており、西都市に避難していたエース級の種牛6頭においても、うち1頭に感染の疑いが出ている。感染の疑いが確認された場合、10キロ圏内の健常な家畜も感染拡大を防ぐうえで殺処分の対象となる。現地対策本部長の山田正彦農水副大臣は「生きていることを知って正直驚いた。家畜が処分される他の農家に示しがつかない」とし、24日、「法に従い、直ちに処分する」とした。

 宮崎の畜産農家はこの件に関してどのように思っているだろうか。調べたところ、宮崎県では「再開支援策があっても、種牛の存在が無ければ意味がない」との声が上がり、種牛49頭を守るための署名運動が起きている。
 宮崎県都城市では、JAを中心として署名運動を実施。22日、最初に県へ提出した時点で6,000人の署名があったという。同市和牛生産課によると、現在も運動は続いており、2万人以上は集まっているとのこと。さらに、インターネットで呼びかけたところ、海外在住の日本人からも署名が寄せられているという。また、都城市では、口蹄疫の感染の疑いがある家畜は確認されておらず、殺処分になる家畜も出ていないが、種牛49頭が殺処分されれば畜産農家は大打撃を受けるという。

宮崎県庁 一方、東国原英夫県知事は、ツイッター上で「家伝法(家畜伝染予防法)は分かる。法の遵守も分かる。しかし、その家伝法自体が実態や時代に明らかに合って無いのだ。迅速な法改正や特別措置等で実態や現状に合った対応をすることが正しく政治主導ではないだろうか」と述べており、種牛の保護を訴えている。
 宮崎の種牛の子牛たちは、全国各地のブランド牛ともなっており、種牛49頭の生死は全国の畜産農家が気にかけているところだ。また、種牛を作り上げるには最低7年の時間がかかるという。本当の意味での"再開支援"とは何だろうか。いくら金があっても、種牛を作る時間を買うことはできない。

▼関連リンク
「種雄牛をなんとか守りたい(署名)、口蹄疫撲滅へ」(blog)


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