関西学院大・総合政策学部(三田市)と美作大(岡山県津山市)の学生たちが台風9号被害を受けた佐用町を元気づけようと、「佐用学生連絡協議会」(約20人)を結成。代表の谷口善一代表(22)=関学大4年=らが25日、町役場を訪れ、「学生村の開設」を軸とした独自の地域活性化計画を庵逧典章(あんざこのりあき)町長らにプレゼンテーション(企画・提案説明)した。
計画の舞台は、町の中心部から北約20キロにある若州(わかす)集落。民家を借りて29日に「若州学生村」を開設し、村を拠点に地域の高齢者宅を訪問して力仕事を手伝ったり、里山整備などに取り組むという。活動は月1回(1泊2日)程度。夏休みなどは宿泊回数を増やすという。
説明を聞いた庵逧町長は「若いエネルギーで多くの人たちと親しくなり、自分たちの勉強にも役立ててほしい」と励ました。今年に入り、町の交通・防災実態調査のアルバイト調査員を務めたという谷口代表は「調査でお年寄り宅を訪問した際、『一番ほしいのは若者』との声が多かった。お年寄りたちの声に応え、自分たちも楽しみたい」と話していた。
町によると、65歳以上の人が住民の50%以上を占める「限界集落」は、町内全142集落のうち17集落。若州集落は40年前に21世帯72人が住んでいたが、現在常駐している町民はいないという。【小泉邦夫】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2010年5月26日 地方版