海外生活の安全対策の心構えとしては、平素から皆様ご自身が安全対策に関心を持ち、適度な警戒心を維持することにあります。出張や観光目的で外国を訪れる場合と比較して、十分な安全・警備対策が必要です。特に、コロンビアのように危険度の高い国においては身の回りにおけるより一層の対策(ハード面での整備、ソフト面での行動)が大切です。
日本的発想である「水と安全は無料」という意識は完全に捨て、危機管理意識を持つことが大切であり、まずは『自分と家族の安全は自分達全員で守る』という意識が必要です。犯罪の予防対策が最大の危機管理であり、何事も最悪の事態を考え「周到に準備」しつつ「大らかに生活する」ことが肝要です。
また、海外での安全対策の基本は、
- 『常に用心を怠らない』
- 『目立たない』
- 『被害対象としての魅力をなくす』
ことを遵守する事にあります。
犯罪に遭う時期としては、「現地の生活に慣れてきた頃」、「帰国間際の頃」が多いようですが、それらは心のどこかに油断が生じたことが行動となって現れることが原因となっています。従いまして日頃から同僚、家族全員で安全対策の基本について確認するなど、平素から身に覚えさせることが必要です。
このマニュアルは、コロンビアで生活する上において思わぬ犯罪などに巻き込まれないように、事前に気を付けるべき事柄をとりまとめたものです。
このマニュアルが、コロンビアでの皆様の安全な生活に役立てば幸いです。
在コロンビア日本国大使館
TEL 57-1-317-5001(閉館時は、緊急連絡先を音声で案内しています。)
FAX 57-1-317-4989
コロンビアでは、現在のところ内乱、クーデター、暴動等(以下「内乱等」という)の緊急事態発生の可能性はありませんが、万が一緊急事態発生の際には、大使館としても全力でその対応に当たりますが、そのような状況下では、各自が責任を持って自己の安全対策に万全を期する努力をすることが必要です。
そこで大使館では、そのような緊急事態発生時において、在留邦人の方に迅速、的確に対応できるよう以下のとおり平素の心構えと必要な準備、緊急事態の行動について必要な事項をまとめました。
在留邦人の皆様にあっては、本マニュアルを参考にしながら、緊急時に落ち着いた対応ができるよう心掛けてください。(□にチェック)
| (1) |
平素の心構え・準備
| (イ) |
連絡体制の準備
| □ |
在留邦人の方は在留届の提出を励行してください。 |
| □ |
当地では別添の通り緊急連絡網を作成しております。道連絡網に誤りがある場合(引越し、転勤、電話番号等による変更)には、速やかに大使館に直接または木曜会等を通じて御一報ください。また、同連絡網に基づく緊急の連絡は、誰から受理し誰に伝達するか等について平素から確認しておいてください。 |
| □ |
緊急事態はいつ起こるとも限りません。そのような場合、家族間・企業内での緊急連絡方法について、あらかじめ決めておいてください。また、お互いに所在を明確にするようにしてください。 |
| □ |
緊急事態発生の際には、大使館から連絡網を通じて情報を提供するとともに必要な指示を行いますが、電話回線等が使用できなくなった場合には、大使館FM放送機(89.4MHz)或いはNHK海外放送により必要な連絡を行うことがありますので、短波、FM受信可能なラジオ(電池の準備もお忘れなく)を購入しておいてください。 |
| □ |
緊急事態発生時の安否確認及び緊急退避のため、大使館ではあらかじめグルーピングを行い、各グループの連絡担当責任者を連絡網記載のとおり指名していますので、日頃から連絡を密にし、まさかの時に備えておいてください。(緊急連絡網の根幹企業等) |
|
| (ロ) |
一時退避場所及び緊急時避難先
| □ |
一時退避場所の検討
内乱等発生時には、戦闘、騒乱に巻き込まれる可能性がありますので、常に周囲の状況に注意を払い、情報を収集しながら危険な場所に近づかないことを心掛けてください。巻き込まれそうになった場合の避難場所について、日頃から頭に入れておくことが重要であり、自分がどこにいるのか(勤務先、通勤途上、自宅等)、自分がどのような事態に巻き込まれそうか等幾つかのケースをあらかじめ想定して各自の一時退避場所を検討しておいてください(外部との連絡可能な場所が望ましい)。 |
| □ |
緊急時避難先
大使館から緊急事態発生の状況に応じて、場合によっては緊急時避難先への集合を指示することがあります。大使館が指定する緊急時避難先は以下のとおりですので、同避難先を確認し、そこに至るルートについて幾つかのケースを想定しておいてください。
| ・大使館 |
:Carrera 7 No.71-21 TorreB Piso11 |
|
TEL:317-5001 |
| ・大使公邸 |
:Carrera 7A No.88-15 |
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TEL:236-3746 |
| ・日本人学校 |
:Carrera 8H No.170-35 |
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TEL:670-5130 |
| ・JICA事務所 |
:Carrera 7 No.73-55 Piso13 |
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TEL:312-1117 |
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| (ハ) |
緊急事態における携行品等、非常用物資の準備
| □ |
旅券、現金(US 500ドル)、貴金属等最低限必要なものは、直ちに持ち出せるように、あらかじめまとめて保管しておいてください。 |
| □ |
緊急時には一定期間自宅での待機を指示することがありますので、非常用食料、医薬品、燃料等を最低限10日分準備しておいてください。 |
| □ |
準備しておくべきチェックリストは別添のとおりです。 |
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| (2) |
緊急時の行動
| (イ) |
心構え
緊急事態が発生し、又発生する恐れのある場合には、大使館は邦人保護の万全を期するため、情報収集、情勢判断及び対策の策定を行い、随時、緊急連絡網を通じて通報します。平静を保ち、流言飛語に惑わされたり、群集心理に惑わされることのないよう注意してください。 |
| (ロ) |
情勢の把握
| ( i ) |
大使館からの連絡は、電話利用の可能な場合と不可能な場合に分けて、随時、別添の緊急連絡網により通報しますので、短波、FM放送を常に受信できるようにしてください。 |
| ( ii ) |
緊急事態発生の際には、現地、海外報道、衛星放送テレビ等の視聴により、各自情報収集を心掛けてください。 |
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| (ハ) |
大使館への通報等
| ( i ) |
現場の状況のうち、通報する必要があると認めたものは、随時大使館に直接、又は木曜会等を通じて通報してください。その他の在留邦人の方の貴重な情報となります。 |
| ( ii ) |
自分や自分の家族、又は他の邦人の生命・身体・財産に危害が及び、又は及ぶ恐れのあるときは、迅速かつ具体的にその状況を大使館に報告してください。 |
| ( iii ) |
緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応にあたることが必要になります。大使館から在留邦人の方々にも種々の助言をお願いすることもございますので、よろしくご協力ください。 |
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| (ニ) |
国外への退避
| ( i ) |
事態が悪化し、各自又は派遣先の会社等の判断により、或いは大使館の指示により、自発的に帰国、第三国へ退避する場合、その旨を大使館に通報してください(連絡が困難である場合には、日本の外務省邦人保護課等へ通報くださるよう努力してください)。 |
| ( ii ) |
大使館が「退避勧告」発出した場合、一般商用便が運行している間には、それを使って可能な限り早急に国外へ退避してください。一般商用便の運行がなくなった場合、或いは満席で取れなかった場合等には、臨時便の利用、或いはチャーター便の手配により(これら利用に当たっては、通常は片道エコノミー正規料金の支払いが必要になります。但し、後払いも可能です。)、国外へ退避することが必要となってくることもあり得ますので、大使館の指示に従うようにしてください。 |
| ( iii ) |
事態が切迫し、大使館から退避又は避難のための集合を指示された場合は、上記(1)(ロ)で指定した緊急時避難先に集合してください。その際、しばらくの間、同避難先で待機する必要がある場合も想定されますので、可能であれば上記(1)(ハ)の非常用物資を持参くださるようお願いします。また、緊急時には自分及び家族の生命、身体の安全を第一に考え、その他の携行荷物は必要最小限にしていただくようお願いします。なお、緊急事態発生時には、場合により大使館において同避難先への交通手段をアレンジすることもあります。 |
| ( iv ) |
大使館で検討した集合場所からの避難ルートは以下のとおりですので、あらかじめ周知しておいてください。
・空路
エルドラド国際空港等主要空港⇒隣国・米国
・陸路
不可能 |
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