暴力団幹部の相撲観戦で便宜か
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暴力団幹部の相撲観戦で便宜か

5月25日 18時12分

去年7月の大相撲名古屋場所で、現役の親方2人が、土俵下の特別席の入場券を入手できるよう取り計らい、この券を受け取った山口組系の暴力団幹部らが取組を観戦していたことが警察への取材でわかりました。警察当局は、親方らが暴力団関係者などから頼まれて便宜を図った可能性もあるとみて、詳しい経緯を調べるとともに、報告を受けた日本相撲協会では処分を検討しています。

暴力団幹部らが観戦していたのは、去年7月の大相撲名古屋場所の取組です。警察当局の調べによりますと、山口組系の暴力団弘道会の幹部ら延べ55人が、15日間の場所中、相撲協会の有力な後援者や企業に割り当てられる「維持員席」と呼ばれる土俵下の特別席で取組を観戦していたということです。「維持員席」で観戦するためには、協会に一定金額以上の寄付をするなど有力な後援者であることを示す「維持員」の証明書と入場券が必要ですが、警察当局が調べたところ、現役の親方2人が、知り合いに頼まれて、一般の入場券を販売している「茶屋」と呼ばれる相撲案内所に場所を通して観戦できる入場券をそれぞれ2枚手配するよう依頼していたということです。2人の親方は、40歳と64歳のいずれも元前頭の力士で、1人は部屋付きの親方だということで、警察当局は暴力団関係者などから頼まれて便宜を図った可能性もあるとみて詳しい経緯を調べています。また、観戦していた暴力団幹部らは、土俵下の席でテレビの中継映像に映ることで、現在、刑務所に服役している山口組6代目の組長らに放送を通じて自分の姿を見せようとしたねらいがあるとみられています。警察は、すでに2人の親方から事情を聴いていますが、2人は「知り合いから頼まれたが暴力団に渡るとは知らなかった」などと説明したということです。報告を受けた日本相撲協会では2人の親方の処分を検討する方針です。NHKの取材に対して、親方の1人は「自分は別の親方から頼まれただけだ。入場券が暴力団関係者に渡るとは知らなかったが責任を感じている」と話していました。日本相撲協会では「事実関係は把握しており、現在、対応を進めているが、詳しいことは今の段階では話せない」としています。