【日本代表】W杯開幕まであと3週間。現実的に考える岡田監督解任と後任人事スポルティーバ5月26日(水) 16時25分配信 / スポーツ - サッカーこれまでにも「岡田を解任すべき」との主張をしてきた立場から言えば、「そら、見たことか」ではある。 だが、正直なところ、いまさらそんなことを自慢げに言う気にもなれない。なぜなら、こちらが予想した以上に、日本代表が酷い状況に陥っているからである。 ワールドカップ前に国内で行われる最後の国際試合。韓国に勝ってはずみをつけるどころか、日本代表を取り巻く沈滞ムードをさらに悪化させてしまったのだから、手に負えない。 信頼だのなんだのと上っ面だけの言葉を並べ、ずっと監督を代えずにきた結果、このざまである。 プレッシャーが厳しいと、中盤でパスがつながらない? 先制され、守備を固められると厳しい? 世界中のどんなチームだって、大なり小なり、そういうものだ。そんなセリフは、現状分析どころか、言い訳にもなっていない。 あるいは、岡田がベタ引きで守備を固め、カウンターアタックに勝機を見出すようなサッカーを目指してきたのなら、上のような発言も分からないではない。 だが、彼が目指してきたのは、強い相手でもポゼッションで圧倒するようなサッカーではなかったのか。本来言うべきセリフは、「守備を固められても、それを崩すために今までやってきた。今日はできなかったが、それを貫くだけだ」ではないのか。 監督の迷走ぶりを象徴するように、ピッチ上の選手も終始混乱していた。ショートパスをつなぐでも、サイドにボールを集めるでもなく、何をやりたいのかも分からないまま、韓国の前にあっさりと屈した。 韓国にしても、決してチームとしての完成度が高かったわけではない。それでも、個々の落ち着いたプレイぶりは格が違った。簡単に認めたくはないが、試合開始から15分ほどで、日本との差は明らかになった。 これでは、岡田から威勢のいい言葉が聞かれるはずもない。 それどころか、「前半は守備的に戦って、後半ボールを回せる選手を入れるような戦い方も、視野に入れなければならない」などと、耳を疑うような発言の連発。 揚げ句に、壮行試合恒例である試合後のサポーターへのあいさつもせずに、逃げ帰ってしまうのだから、もはや代表監督としての資格はない。 だいたい、中途半端に「責任問題」を口にする理由が分からない。自分だけが批判の矢面に立つのを恐れて、「自分は辞めるつもりだったが、会長に慰留されました」とでも言いたかったのだろうか。本当に責任を感じているのなら、四の五の言わず、とっとと辞めればいい話だ。 さらに言えば、翌日になって「冗談のつもりだった」で事態を収拾しようとするセンスも理解できない。冗談であろうとなかろうと、どちらにしても火に油を注ぐ、最低の言い訳である。 この期に及んで、チームをどこへ導いていいのか分からず、右往左往するような監督ならいないほうがいい。選手に悪影響を及ぼすことは必至だ。 ワールドカップ初戦まで3週間足らずのこの時期に、火中の栗を拾ってくれる人を見つけるのは大変だろう。だが、幸いにして(?)、コーチ陣にはJ1での監督経験者がふたりもいる(大木武/甲府、大熊清/FC東京)。外から監督を引っ張ってくるのが難しければ、内部昇格でもかまわない。 例えば、コーチの大熊はFC東京での監督経験の他に、U−20代表を率いて、ワールドユース選手権で神がかり的な勝利を手にしてきた実績もある。 このまま岡田に任せるくらいなら、大熊に舵を預けてみるのも悪くない。 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 【関連記事】 ・ 【日本代表】韓国に惨敗!W杯を前に目を覆うリーダーシップの欠如 ・ 【なでしこジャパン】W杯「ベスト4」は通過点。優勝を狙う佐々木監督のスタイル〜W杯予選のアジアカップが開幕 ・ 【日本代表】予備登録選手とサポートメンバーの違いは何か?〜サッカー協会の配慮と選手の困惑 ・ 【チャンピオンズリーグ】盤石のモウリーニョ采配。インテルが45年ぶりの優勝〜完勝した“古豪”の真骨頂 ・ 【名波浩の視点】日本vs韓国〜代表OBとして、一番納得できなかったこと
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