【社会】宮崎に種牛候補譲渡へ 口蹄疫問題で政府検討2010年5月26日 夕刊 宮崎県の口蹄(こうてい)疫問題で、政府は26日、独立行政法人家畜改良センター(福島県西郷村)が所有する宮崎牛系統の種牛候補の一部を宮崎県に提供する検討に入った。今後県の要請に応じ、譲渡頭数などを調整し、畜産の復興を支援する。 宮崎県では県が保有する種牛55頭のうち、1頭が既に陽性反応を示し殺処分されており、49頭も殺処分対象になっている。残り5頭にも感染する懸念があり、種牛の消滅が懸念されている。 26日午前の参院本会議で鳩山由紀夫首相が「国が保有している宮崎牛の種雄牛の(県への)提供など、できる限りの支援をしていきたい」と表明した。 農林水産省によると、同センターは宮崎で伝説の種牛と呼ばれた「安平」の血を引く種牛候補を約10頭保有。正式な種牛となるにはあと1回種付けの試験が必要だが、農水省関係者は「一から種牛を育てるよりはるかに早い」と指摘している。 一方、自民、公明両党が提出している口蹄疫対策の特別措置法案に関連し、首相は「政府としても各党と連携して対応したい」と述べ、法案の一本化に前向きな姿勢を示した。 赤松広隆農相は、殺処分を前提としたワクチン接種について、25日までに対象となる家畜の95%に当たる約12万頭まで終えたことを明らかにした。農相は「今日中にはほとんどの接種が終了する」と述べた。 宮崎県の東国原英夫知事が要望している種牛49頭の特例での延命を、同県選出の外山斎議員(民主)も要請。鳩山首相は「多くの農家に殺処分に協力いただいている中で、特別扱いすることは適当でない」と述べ、殺処分すべきだという従来の見解を繰り返した。
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