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【ふくい地域】

ゲンキー 無料レジ袋再開 顧客要望 29日から 「運動に水」の声も

2010年5月25日

ゲンキーの店舗内に張り出されているレジ袋の無料配布再開を告知するポスター=福井市二の宮2丁目のゲンキー二の宮店で

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 福井など四県でドラッグストアを展開するゲンキー(坂井市)は、行政や消費者団体との協定で取り組んでいたレジ袋の有料化を中止し、二十九日から無料配布を再開する。顧客の要望などに応えての無料化だが、福井市では買い物袋持参率が90%近くに達し、「ノーレジ袋運動」が進んでいるだけに、関係者からは「運動に水を差すのでは」と懸念の声が上がっている。

 同社は、再開の理由を「有料化に対する意見や無料配布を要望する声が多く、結果として支持が得られなかった」とする。買い物袋を持参しても大量購入した客には無料でレジ袋を提供せざるを得ない場合もあり、「お客さまに不便なく買い物をしていただくため」に有料化を辞める。

 これに伴い、福井、坂井両市など県内自治体や消費者団体と締結している複数の「レジ袋削減に関する三者協定」を二十八日付ですべて脱退。県内三十六店を含め、岐阜、愛知、石川の四県計六十四店で無料配布を再開する。

 一九八一年から買い物袋持参運動を続けてきた消費者団体「福井市くらしの会」の担当者は「非常に残念。ホームセンターや大型酒店など他業種にも呼び掛けを強めている中、運動に水を差されたようで遺憾」と不信感をあらわにする。

 福井市の担当者は「協定参加業者の足並みが乱れないか心配」と懸念。県内の同業他社も協定離脱の動きを見せており、市担当者は「運動の趣旨を粘り強く訴えていくしかない」と話している。 (藤井雄次)

 

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