【コラム】潜水艦には潜水艦で(下)

 しかし韓国の場合、軍の最高首脳部が、安全上の問題などを考慮して、こうした作戦に「OK」サインを出さず、作戦を実行できなかった-と軍消息通は話している。韓国海軍の209型や214型潜水艦は、北朝鮮の潜水艦(潜水艇)より音が小さいため探知されにくい上、北朝鮮の対潜作戦能力は韓国よりはるかに劣っているため、韓国が決心さえすれば、いつでも情報収集および監視作戦を展開できるという。

 北朝鮮の潜水艦のソナー(音響探知装置)には旧型が多く、韓国海軍のP3Cのような海上哨戒機や、リンクスのような対潜ヘリ戦力はほとんどないとみられる。韓国海軍が現在3隻保有している最新鋭の214型潜水艦は、2週間程度にわたり水中での作戦を継続できる。このため、哨戒艦「天安」爆沈事件により北朝鮮の潜水艦(潜水艇)が韓国にとって非対称の脅威であることが浮き彫りになったように、韓国の潜水艦も北朝鮮海軍にとって非対称の脅威になり得るにもかかわらず、これをきちんと行使できていない、という指摘が出ている。

 専門家らは、敵の潜水艦を捕捉する最も効果的な武器は、潜水艦だという。われわれは北朝鮮の潜水艦(潜水艇)による侵入・攻撃の脅威に頭を抱えるのではなく、韓国の優秀な潜水艦能力を積極的に活用すべきではないか。軍の統帥権者である大統領や国防長官、合同参謀本部議長、海軍参謀総長など、軍首脳部の関心と決断に期待したい。

ユ・ヨンウォン記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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