岡本倶楽部(最終更新:2010年5月26日)
2010/5/26 岡本倶楽部へ入会し、お金を預託した会員の皆さんへ
2007/2/20 株式会社岡本ホテルシステムズが損賠請求訴訟で請求認諾(静岡地裁富士支部 2007.1.24)
2010/5/26 岡本倶楽部へ入会し、お金を預託した会員の皆さんへ

岡本倶楽部被害対策弁護団
弁護士 藤 森 克 美

第1 岡本倶楽部被害者(債権者)による弁護団の被害対策活動への参加のご提案

1.私の事務所のHPで2007年2月20日に取上げ、危惧していた岡本倶楽部預託金の償還期限である2010年4月が過ぎ5月に入ってしまいました。
  私の「危惧」は「杞憂」に終らず現実のものとなっております。会員預託者から委任を受け、2010年2月、3月に静岡地方裁判所と東京地方裁判所に会社と役員等を被告として損害賠償請求の集団訴訟を起こしております。

2.また、私の依頼者である熱海岡本ホテルグループの取引先であった3社(熱海市、伊東市)は、2009年4月と2010年1月、静岡地方裁判所沼津支部で訴訟上の和解を成立させ、債権の回収に当って来ましたが、A社については14回分割中の10回目の2010年1月末の一部支払いを最後に支払いが止まりました。
  B社については21回分割中の3回のみ、C社についても21回分割中の4回中の一部支払いが止まりました。
  A社については日本産業株式会社(代表取締役:岡本久美子氏)、株式会社オカモト(代表取締役:大東順子氏)、株式会社鈴幸(代表取締役:藤井恒男氏)が債務者で、訴訟上の和解においてはそれぞれの代表取締役が連帯保証人となりました。
  分割の支払いが止まったため、連帯保証人の銀行口座があると思われる口座の差押を試みましたが、殆ど空振りでした。
  そこで代表取締役1人につき個人名義の不動産があることが判ったので、競売申立をしましたところ、一足先の3月18日に神戸市の会社に名義変更されており、功を奏しませんでした。

3.(1)以上の事実から、皆さんの預託金の運用先である岡本ホテルグループの支払不能は明らかであり、運用先から株式会社オー・エム・シーへの債権回収が困難となれば当然株式会社オー・エム・シーから皆さんへの預託金等の返還が困難となるのは必至です。少しでも多く被害回復を得るためには、株式会社オー・エム・シーの資産の保全が必要です。紆余曲折はあったのですが、同社より5月13日に第1〜3期分の決算報告書が私の事務所にFAXされて来ました。
(2)貸借対照表(第3期)によれば、「負債の部」「預かり金会員」科目で、2009年9月30日時点において「191億8340万円」とあることから、株式会社オー・エム・シーが岡本倶楽部会員7854名から集めた預託金は、上記金額であることが判明しました。
(3)これに比し、同期の「資産の部」「有形固定資産」は、「80億8909万9351円」(上記預託金の42%程度)であり、資産を全部処分しても到底191億8340万円の預託金債務を支払うことはできないと判断できます。更に第1〜3期とも赤字決算で、繰越損失は殖え続けているもので、入会者に支払を約束した残ポイントの買上げを実行できる能力はないし、元金を返済する能力が無いことも判断できます。従って株式会社オー・エム・シーが株式会社岡本ホテルシステムズを引継いだ直後から、毎年の残ポイントの買上げも、2010年4月からの元金返済の能力もその意思もなかったことは明らかであり、株式会社オー・エム・シーが会員募集に際して使用した「資産価値を踏まえ、万一の場合でも全員に返金できるだけの人数しか募集を行っていません」との説明は、不実であると判断できます。
(4)また、同期「資産の部」「投資その他の資産」中の「長期貸付金」が「39億7988万5572円」(上記預託金の20%程度)であり、その主な貸付先が岡本倶楽部のオーナー・幹部らになっており、株式会社オー・エム・シーを中継して入会者のお金がオーナーや幹部に流れたと見るのが自然であります。

4.(1)そこで、株式会社オー・エム・シーの資産を保全し、公正な配当と関係者の責任追及をする方法としては債権者(被害者)申立による破産、株式会社オー・エム・シーとグループ会社の役員や幹部等の民事責任の追及、刑事告訴・告発しかありません。そこで、私は被害対策弁護団を結成し、岡本倶楽部に入会し、お金を預託した皆さんに、当弁護団が提起しようとしている被害対策活動に参加していただくことを提案します。
(2)具体的には、私に従前依頼のあった12名の方が申立人となって、5月21日、東京地裁破産部に破産手続開始申立書を提出し、受理されました。裁判所からは予納金1000万円を納付するよう指示されております。
   被害者が数多く当弁護団の活動に参加していただき、予納金の分担に協力して下さることを希望します。


第2 弁護団への依頼の方法

1.弁護団に依頼される方は、まず弁護団事務局のある藤森法律事務所に電話(054−247−0411)、FAX(054−247−0509)、メール(fujimori@po2.across.or.jp)でご連絡下さい。弁護団事務局で被害概要の聴き取りを行った上で、委任されるかどうかの意思を確認します。委任する場合は、弁護団事務局の指定口座に着手金をお振込み下さるか、現金書留でご送金下さい。
 切手代や紙代が無駄となることを避けるため、依頼を迷っている方には書類を送付していません。依頼することが確実な方のみに必要書類お送りします。着手金(実費を含む)の振込が確認でき次第、弁護団事務局から破産申立等に必要な書類をお送りします。

2.以下の着手金は、個別に弁護士に依頼される場合に比べ格安になっていることをご理解下さい。これも被害者の皆様がまとまって取組むことの大きなメリットの一つです。

着手金を計算する際の損害額
= 皆さんが岡本倶楽部に支払った預託金等入会費用 − 岡本倶楽部が皆さんに支払った残ポイント買取金等
    損害額100万円未満の方は           3万円
    損害額100万円以上1000万円未満の方は   4万円
    損害額1000万円以上の方は          5万円

※ 尚、ご家族、親戚などの名義を使用しただけで、お一人の意思で預託されたという場合であっても、名義人全員からそれぞれ委任を受けるということになりますので、ご承知おき下さい。また、ご家族、親戚など、お金の出所が同じであっても、それぞれの意思で出資している場合も、すべての書類についての提出と別々に着手金が必要です。連名では訴訟委任状は使用できませんので、くれぐれもご注意下さい。

送付して頂く書類は、個人の場合は5点セット、法人の場合は6点セットとなります。

(1) 委任約諾書 ※1通
(2) 訴訟委任状 ※2通(予備を含む)
(3) 登録カード
(4) 当事務所から配当があった場合の振込先
※尚、入会申込書(原本)、振込の控え(原本)又は領収証(原本)、預り証(原本)、会員カード(原本)、岡本倶楽部からの振込が記載されている通帳のコピー(名義がわかるように表紙もコピーして下さい)など岡本倶楽部とのやりとりがわかるものも証拠となりますので、上記書類と一緒にご送付下さい。
(5) 着手金の振込の日時、名義がわかる書類(振込控えなど)のコピー
(6) (法人の場合は)法人登記簿謄本(原本)

を必ず同封して下さい。

3.振込みが確認され、上記書類がすべて揃った時点で、委任手続は完了となります。振込みが確認できない場合、書類等がそろわない場合には、委任は受けられませんのでご注意下さい。

4.今後活動方針や諸手続については、委任手続が完了したことを確認したうえで、弁護団から改めてご連絡します。
ご協力よろしくお願いします。

【送付先】
〒420−0863  静岡市葵区安東柳町1番地の3
藤森法律事務所
問い合わせ電話
TEL 054−247−0411  FAX 054−247−0509
平日 9:00〜18:30
土曜 9:00〜13:00
Eメール fujimori@po2.across.or.jp

第3 被害対策弁護団に対するQ&A (2010/5/26現在)
 こちらのとおりです。


2007/2/20 株式会社岡本ホテルシステムズが損賠請求訴訟で請求認諾
(静岡地裁富士支部 2007.1.24)

1.事案の概要

(1) 富士市内の主婦A子さんは、株式会社岡本ホテルシステムズ(東京都中央区銀座1−14−7)の従業員から熱海外4ヶ所にある岡本ホテルへの宿泊チケット等特典付き、5年後の元金全額返還という岡本倶楽部第1次会員募集の勧誘を受けました。その内容は、100万円,300万円,500万円,1000万円を同社に預託すると5年後には全額返金され、入会後は毎年宿泊チケットが交付され(100万円コースなら10万円相当,300万円コースなら36万円,500万円コースなら75万円,1000万円コースなら180万円)、それらの宿泊チケットを全く使わなかった場合、その6〜9割を1年毎に買取ってくれるというものです。
  従って100万円コースなら、年利6%、300万円コースなら8.4%、500万円コースなら年12%、1000万円コースなら年16.2%でお金を預かるというものです。
(2) A子さんは利廻りの良さに引かれ、2006年1月30日、300万円を支払いました。
(3) 翌1月31日、静岡県内の新聞各紙は、「岡本ホテル総支配人ら4人風営法違反で逮捕」と報道しました。
  驚いたA子さんは直ぐに同社に全額の解約を求めたが、入会3年未満は元金の50%しか返還しないという契約条項を楯にしたため、全額返還を求めて私に委任するところとなった。

2.交渉をしましたが埒があかず、2006年4月6日付で静岡地裁富士支部に、元金300万円と1割の弁護士費用30万円を乗せて330万円の不法行為の損賠を求め、提訴しました。裁判係属後、請求原因として出資法違反の不法行為も追加申立しました。
  裁判は遅々として進まなかったので、2006年6月30日付で、@貸借対照表、A損益計算書、B営業報告書、C利益の処分等に関する議案及びその付属明細書,D総勘定帳元帳の文書提出命令を申立てました。
  そして2006年12月26日に至り、裁判所から文書提出命令の決定がおり、被告会社は即時抗告することなく、文書提出命令は確定しました。

3.ところが、被告会社は上記決定に従わず、2007年1月9日に至り、原告の請求を認諾することを文書で裁判所に申入れて来、1月24日の期日で請求の認諾をしたものです。
  請求の認諾とは、原告の請求を満額認めるというもので、完全勝訴判決が確定したのと同じ効力をもつものです。A子さんは、その後330万円と遅延損害金の支払いを得ました。

4.2006年4月5日に静岡市内で配布された新聞折込みチラシには、「会員数1200人を超えた日本最大の会員制温泉リゾートクラブ」「5年後に預託金全額返金」と謳って岡本倶楽部2次会員を募集していました。
  私はこの預託金集めが出資法に抵触していると考えています。又、数年先の償還期に果たして多数の会員に元金が返還されるのか、危惧しています。

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