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【サッカー】

岡田監督 進退伺 冗談だった 練習で選手たちに釈明

2010年5月26日 紙面から

練習開始前に、選手に進退伺の釈明をする岡田監督(中央左)=さいたま市内のグラウンドで

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 6月のワールドカップ南アフリカ大会に出場する日本代表は25日、さいたま市内で練習を行い、スイスでの直前合宿出発に備えた。岡田武史監督は、0−2で敗れた韓国戦後に犬飼基昭会長に進退伺を立てたことについて、「真剣に言ったわけじゃない」と冗談めかした発言だったと釈明した。また、スイス到着後にMF中村俊輔を中心とした選手主体のミーティングを行うことになった。

 軽すぎる。自らの発言の重みを、いったいどれほど理解しているのか。失意の敗戦から一夜明け。岡田監督は練習前、選手を集めて約6分間話し続けた。指揮官は、自らの進退伺について釈明していたのだった。

 「冗談交じりで話したのに、真剣にとらえられてしまった。心配しなくていい。一人だけ投げ出したり、逃げたりはしない。責任を持って戦う」

 自らまいた種だ。完敗した韓国戦後の記者会見で、犬飼会長に進退を伺ったことと、その上で「やれ」と言われたことを告白した。W杯を目前に控えての不用意な発言が大きな反響を呼ぶことは、火を見るより明らかだった。

 実際、指揮官はこの日朝に原技術委員長から電話を受けて「大ごとになっている」と忠告を受け、チームマネジャーからも「選手が気にしている」と進言されたと話した。事態を収拾する必要に迫られたとはいえ、あまりに軽々しい“なんちゃって作戦”で片付けようとした感は否めない。

 「冗談というつもりじゃないけど、そんなにみんなが真剣にとらえると思わなかった。(犬飼)会長に言ったときも真剣に言ったわけじゃない。これからは口を慎みたい。オレが選手のことを投げ出せるわけがない。冗談じゃない」

 報道陣にはそう説明したが、そうでなくても残り3週間を切った本大会までにクリアすべき課題は山積みだ。「攻撃に関しては連動性やサポートがなかった。最近は守備ばかりだったので、連動性はこれから練習したい」と守備練習に力を注いだこの1週間から一転して、スイス合宿では攻撃練習に着手する意向を示した。無回転シュートのようにブレ続ける指揮官の発言は、さながら混迷の底無し沼。指揮官の掲げる「世界4強」の目標さえ、“冗談”のひと言で片付けられなければいいが…。(塚田陽一郎)

 

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