ドキュメント 「異常官邸」鳩山逃げる
オキナワはポイ捨て大特集 「ウソ八百政権」の全内幕 

2010年05月24日(月) 週刊現代
upperline

 いくら総理に言われたからと言って、副総理が「関わりは持っていない」では済むまい。鳩山首相が退陣したとしても、普天間問題が解決するわけではない。次の首相、つまり、菅氏が普天間問題を先頭に立って取り仕切る事態は、絵空事ではないのである。 

枕元には酸素ボンベが 

 では、肝心の鳩山首相が「退陣」する可能性はあるのか。先に紹介したように、異様なほど前向きになったかと思えば、事態の深刻さを認識していないようなことを口にしたりする。逆に、タイムリミットが近づいてきて、焦りを滲ませることも少なくない。 

 それが如実に表れているのが、朝、晩の2回行われている、いわゆる「ぶら下がり会見」の場だろう。連日、普天間問題について聞かれ、支持率低下もあって、マスコミ不信は募るばかり。5月12日夜のぶら下がり会見では、記者から直接、「最近の総理の答えは、短くて冷たいのではないか」と詰め寄られている。 

「鳩山首相が沖縄に行くというのを、最後まで止めようとした佐野忠克首相秘書官は、非常に首相の体調を心配している。他の代議士から聞いた話では、首相は睡眠時無呼吸症候群で、深く眠るために、枕元に簡易の酸素ボンベのようなものを置いて、酸素吸引をしているという。持病に加え、ストレスも相当溜まっているのでしょう」
(民主党中堅代議士) 

 実は、沖縄訪問と時期が少し前後するが、鳩山首相がついに辞意を固めたのではないかと囁かれたことがある。 

 国会議事堂に近い、永田町の十全ビルにあった鳩山首相の個人事務所が、この4月末でひっそりと閉鎖されたからだ。 

 通常、大物政治家は議員会館の事務所とは別に、国会周辺に個人事務所を持っていることが多い。こうした個人事務所は、外事務所と言われ、人目を避けたい会合などは議員会館よりもこちらで行われる。金庫番と呼ばれる経理担当秘書も、外事務所に詰めているのが一般的である。 

民主党代議士のベテラン秘書が語る。 

「鳩山氏の金庫番だった元公設秘書の勝場啓二氏も、外事務所に詰めていました。しかし、勝場氏は例の故人献金問題で、政治資金規正法違反に問われ、5月に入って有罪が確定したばかり。
  部屋の賃料が政治資金収支報告書に記載されていないと問題視されたこともある。鳩山首相側は、新しい議員会館が今の倍のスペースになり、7月にそこに移るために外事務所は不要になったと説明しているようですが、外聞の悪い事務所を、勝場氏ともども切り捨てたということでしょう」 

 理由はどうあれ、外事務所の有無は、政治家としての格をはかるバロメーターでもある。まして、現役の首相が事務所を閉鎖するなど前代未聞。そこで、ついに首相退陣、政界引退を視野に身辺整理を始めたのではないかと言われた。 

 さらに、鳩山首相は沖縄訪問前日の5月3日、東京・ホテルニューオータニにある「なだ万」で小沢一郎幹事長と会談している。まだこの会談の存在が明らかになる前、鳩山首相は辞表を懐に忍ばせ、沖縄で自分の首と引き替えに、普天間問題を解決しようとしているのではないかという観測が流れた。

previous page
4
nextpage


最新号>のご紹介

underline
アクセスランキング
昨日のランキング
直近1時間のランキング
編集部お薦め記事
最新記事