ドキュメント 「異常官邸」鳩山逃げる
オキナワはポイ捨て大特集 「ウソ八百政権」の全内幕 

2010年05月24日(月) 週刊現代
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 そんな憧れの島に基地移設をお願いするのは心苦しいということなのだが、突然、朝潮について語り出す首相に、3人の町長はさぞ戸惑ったことだろう。 

沖縄にリニア? 

 もちろん、鳩山首相が「ルーピー(イカれた、愚かな)」発言を繰り返すたびに、普天間問題は進展するどころか混迷の度を深めていくばかりだ。実際、5月12日からのアメリカ側との実務者協議に臨むため、むりやりまとめた観のある普天間問題「政府原案」は、内容を詳細に取り上げるのも空しくなるオソマツな内容だ。 

 曰く、「可能性を早急に詰める」「検討する」「今後両国で協議して決定する」「早急に調整する」・・・、そして肝心の【沖縄への対応】については、「沖縄側の要望に真摯に対応する」。これでは「何も決められない」ことを、政府として決定したようなものである。 

 ここまで普天間問題を迷走させた"戦犯"の一人である平野博文官房長官は、12日に急遽、鹿児島へ飛び、徳之島町議と会談したが、官邸内での評価は相変わらず低い。 

「徳之島案も辺野古の杭打ち桟橋案も、平野プランです。平野さんが外務省や防衛省などの官僚たちから情報を取っていれば、それらの案がいかに実現不可能かわかったはずです。それなのに、政治主導の意味をはき違え、自分が鳩山さんの代わりに普天間問題を決着させると独断で動きすぎた。
  平野さんは『せっかく俺が悪者になろうとしているのに、総理がいろいろ発言してしまうから』と愚痴っていたが、勘違いも甚だしい」(官邸関係者) 

 すでに普天間問題の責任をとって官房長官交代説も流れている平野氏。やけくそのような発言ばかりが目立つ。先日も、記者たちと険悪なムードになった。 

記者 アメリカ側は徳之島移設は難しいという認識を示しているようですが。 

平野 誰が示しているんですか? 

記者 そういう報道が・・・。 

平野 いや、ですからっ、誰が示しているんですか。 

 また、仙谷由人国家戦略相や前原誠司沖縄担当相らが、5月末決着でなくてもやむなしというニュアンスの発言をしたことについても、自分が散々官邸内を混乱させてきたことは棚に上げ、「助け船どころか、混乱するだけや」と苛立ちを隠さなかった。そして、最近では官邸を離れて、党本部に現れては職員たちに、 

「俺はやっぱり党(務)向きなんや」 

 と愚痴っているという。ちなみに「党務なら自信があるという思い上がりが恐ろしい」(党職員)という声は、平野氏にはまったく届いていない。 

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