知財高裁:「コーヒー豆名は商標」エチオピア政府が勝訴

2010年3月29日 21時16分 更新:3月29日 21時20分

 エチオピア産のコーヒー豆「シダモ」「イルガッチェフェ」は商標か、単なる産地名かが争われた訴訟の判決で、1審の知財高裁は29日、エチオピア政府の商標登録を無効とした特許庁の審決を取り消した。中野哲弘裁判長は「我が国では地名ではなく、銘柄として認識されている」として商標と認めた。

 エチオピア政府は06年、二つの名称を特許庁に商標登録したが、全日本コーヒー協会が07年、商標を無効とする審判を請求。特許庁は09年3月、協会の請求を認めて登録を無効と審決したため、エチオピア政府が協会を相手に提訴していた。

 判決は「取引業者や消費者は二つの名称が高品質のコーヒー豆やコーヒーを指すと認識しており、商標として認められる」と判断。一方で、協会が「エチオピア政府は、シダモ地方やイルガッチェフェ地域以外のエチオピア産コーヒー豆にも名称を使用する可能性がある」と主張した点については「誤認を生じさせる恐れがある」として、その場合は商標は認められないと指摘した。【伊藤一郎】

 ▽エチオピア政府の弁護士の話 事実上、主張が全面的に認められた。

 ▽全日本コーヒー協会の話 判決文が届いていないのでコメントできない。

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