築地移転:予算可決へ 民主が修正案見送り

2010年3月27日 15時0分 更新:3月27日 16時19分

 築地市場(東京都中央区)の江東区豊洲地区への移転問題で、都議会民主党は27日、都の予算案から移転用地購入費を削除した修正案の提出を見送る方針を固めた。市場の現在地再整備と移転を比較検討するとの都側の妥協案を受け入れた。修正案提出の見送りで、市場移転に関する予算は付帯決議付きで都の原案通りに可決する見通しとなった。

 予算案が原案で可決されれば、築地市場移転計画はとりあえず中断に追い込まれる事態は回避される。ただ、移転用地の購入に際して議会の意思を尊重するとの案も都側から民主党に示されている模様で、移転の是非を巡っては、今後も論議の余地が残されそうだ。

 昨年7月の都議選のマニフェストで「強引な移転に反対」を掲げ、現在地再整備の再検討を求めている民主党は、24日に予算案に対する修正案の提出を表明。それまで現在地再整備の再検討に応じていなかった都は、知事与党の自民党を通じ、民主党との水面下の折衝を始めた。都側が示した複数の譲歩案を巡り駆け引きが続いていたが、27日になって妥協点がほぼ固まった。都の原案は新年度市場会計予算案に豊洲の用地購入費1260億円を盛り込んでいる。27日午後に予算特別委員会の質疑を行い、30日に本会議採決が行われる予定だ。【市川明代、江畑佳明、真野森作】

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