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【サッカー】

俊輔 自信喪失「論外、最悪だ」

2010年5月25日 紙面から

後半、交代し岡田監督(右)に迎えられる中村俊=埼玉スタジアムで(河口貞史撮影)

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 体が思うように動かない。何度も相手DFに倒され、いとも簡単にボールを奪われてしまう。1998年に初めて日本代表に招集されて以来、これほど何もできないMF中村俊輔を見るのは初めてかもしれない。

 「きょうの出来は論外。最悪。タッチがスムーズじゃないというか、なんかこう…。ステップが止まっちゃうみたいな。自分が(思い)描いているのと動きが違う。Jではなんとかごまかせていたけど、やっぱりそうかという感じ。あれっ? オレなんでこんなこと言ってんだろう…」

 試合後、淡々と話しながらも俊輔の目はどこかうつろだった。「俊輔はコンディションが万全ではない」という岡田監督は見るに見かねたのか、後半18分にチームで真っ先に背番号「10」をベンチに下げた。正直、見ていられないほど動けていなかった。4月に左足を負傷してから、チームでも対人練習や追い込むようなトレーニングが満足にできていなかった。

 それが体のキレに影響を与えているのか、あれほど早かった判断スピード、広かった視野が明らかに本来とは違う。練習量不足からくるコンディションの不良と思いたいが、俊輔自身も自らの体の変調を全く理解できていない状況だ。

 「向こう(スイス)にいって体のそういう(キレを戻す)こととかやろうかな…」。日本の司令塔が陥った最大のピンチ。初戦のカメルーン戦までわずか3週間。大会期間中に32歳を迎える俊輔の体が復調するかどうか。スタメンから名前が消える最悪の事態も考えなければならないかもしれない。(荒川敬則)

 

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