中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > サッカー > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【サッカー】

岡田監督 進退伺 韓国に屈辱0−2完敗

2010年5月25日 紙面から

◇キリン・チャレンジカップ

(24日・埼玉スタジアム)

▽観衆57873人

 6月開幕のワールドカップ南アフリカ大会に出場する日本代表は24日、埼玉スタジアムで行われた国際親善試合のキリン・チャレンジカップで韓国代表と対戦し、0−2で完敗を喫した。前半6分にMF朴智星に、先制点を決められ、後半終了間際にもPKで追加点を許した。精彩を欠いたMF中村俊輔は「最悪」と自らにダメ出し。試合後の岡田武史監督が、日本協会の犬飼基昭会長に進退伺を出す異常事態を迎えた。

 宿敵・韓国に0−2で完敗した後の記者会見。冒頭で、誰が聞いたわけでもないのに、わざわざ口にしなくても良かったのに、岡田監督がうつろな表情で切り出した。

 「1年に2回も韓国に負けて申し訳ない…。当然、責任問題も言われると思う。会長にも一応、問いただしました。いや、問いただしたんじゃなくて、尋ねました。(会長の返事は)『やれ』ということだったんで…。まあ、前に進むしかないと思っています」

 負けると必ず監督去就問題に発展する「危険な日韓戦」は、今回もやはりそうだった。しかも、W杯に向け日本を旅立とうという大事な時に、だ。ファンなどからの「外圧」なら、岡田監督自身がはねのければまだ意気込みを感じる。しかし、今回不安をかき立てるのは、監督が自ら口にしてしまったことだ。

 低調な試合を連発してきた直後に1−3で完敗した2月の東アジア選手権の韓国戦後には、強気に「選手が付いてきてくれている以上は自分から投げ出さない」とたんかを切った。ただこの日は、犬飼会長に「続けていいんでしょうか。(続けるとなると)会長もいろいろ言われますよ」と口にしたという。「自信をなくしたとかではなく…」。任命権を持つ協会トップへの“気遣い”だと主張するが、監督業が精神的負担となっているのかもしれない。

 「W杯で勝てばいい、強化試合は勝っても負けてもとにかく強い相手を」。かつてそう話したことがある。史上最強とうたわれる現在の韓国代表も「強い相手」だ。ならば負けても勝利への道筋を主張した方が岡田監督らしかった。しかし…。

 戦い方を変えることも視野に入れている。「相手にプレッシャーをかけられると中盤でパスが回らない。前半はある程度守備的な選手でやって、スペースが空いてくる後半にパスを回せる(攻撃的な)選手を起用するとか」。W杯での指揮を執り続けることに変わりはないが、今、指揮官は揺らいでいる。(上條憲也)

 

この記事を印刷する


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ