危うさのかけらもなかった。ガッチリつないだ勝利への橋。最後には守護神がドンと待ち構える。「3点差だからといって相手にスキを見せてはいけない。点差は考えないように、点数は見ないようにしてますよ」。小さな亀裂すら見当たらない。岩瀬が完封リレーを締めくくった。
「最近、2アウト取ってからがイカンね…」。岩瀬が苦笑いで振り返ったのは、2死を取った後の場面だった。代打・渡辺直に四球。ここ3試合、ずっと2死から走者を出している。だが、結果はすべて無失点だからぜいたくな悩みだ。
リーグトップタイとなる13セーブを挙げ、区切りの250セーブまであと3とした。「あと1になれば意識するんだろうけど、まだ3だからね。意識する段階じゃないね」。いつもと変わらず、黙々と大記録へと進んでいる。
つなぐ橋は盤石だ。7回は高橋。最後は内村を149キロの速球で三振。「最後はいい感じで投げられた。絶対に点をやらないつもりで投げました」。気迫とパワー満点の投球で1イニングを封じた。
高橋、と来れば浅尾だ。8回を無失点。1死一塁では愛知県知多市の八幡中学の大先輩・山崎をフォークボールで空振り三振に仕留めた。
「やっぱり意識しました。真っすぐで勝負できれば一番良かったんでしょうけど、三振を取れてうれしかった。また対戦する機会があれば全力で勝負したいです」
9回に登板してセーブを挙げ、川井(左)にウイニングボールを渡す岩瀬=ナゴヤドームで(榎戸直紀撮影)
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この3人がつなげば本拠地では勝率100%。そろって防御率0点台。12球団最強の方程式は崩れない。 (生駒泰大)
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