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不敬か、芸術か…墓地での撮影に賛否

 「墓の尊厳を汚すつもりはなかった」。写真家篠山紀信さん(69)に対し、霊園墓地でヌード写真を撮ったとして、東京区検は20日、公然わいせつ罪だけでなく、礼拝所不敬罪も適用し略式起訴した。篠山さんは弁明するが、「霊園で撮影なんて」と批判の声も。識者の見方は分かれた。

 篠山さんは、宮沢りえさん、樋口可南子さんら女優、タレントのヘアヌード写真集を数多く手掛けた第一人者として知られている。

 渥美東洋中央大名誉教授(刑事訴訟法)は礼拝所不敬罪について「芸術と言いながら、人の感情を害するようなことを何度も平気でやる。検察は警告を与える意味で適用したのだろう」と指摘。

 芥川賞作家の僧侶玄侑宗久さんは「芸術家としての欲求は分からなくもないが…」と一定の理解を示した上で「もし自分の寺だったとしたら、お断り。寺でもさまざまなイベントは開くが、それとは違う。墓地で『脱ぐ』行為に感じるのは『場』に対するある種の暴力」と話す。

 篠山さんは略式起訴を受け「撮影現場に使われ、不愉快な思いや怒りを感じた方々には深くおわびしたい」と謝罪。一方で「この事件をきっかけに表現することが窮屈になってしまわないか」と疑問を呈した。

 大石泰彦青山学院大教授(メディア法)は「作品でなく、撮影場所で性表現が規制されるのはおかしい。国家権力による道徳の押し付けだ」と今回の処分を批判した。

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