【エコノミスト 景気アンケート】株価 「1万3000円」強気大勢

2010.5.5 05:00

日経平均株価の最高値予測(2010年)

日経平均株価の最高値予測(2010年)【拡大】

 景気の回復基調を受けて、2010年の株価はすでに「底」を脱し、年末に向けて上昇基調が持続するとの見方が強い。

 日経平均株価は2月9日の9932円が年内の最安値という分析が大半を占めた。住友信託銀行の花田晋調査役は「二番底懸念が遠のき、これ以上下がることはない」と指摘する。

 一方、最高値は1万3000円を軸に強気な見通しが目立つ。アジア向けの輸出増による企業の生産回復に加え、年後半に向けて低金利の継続や「海外との景気格差による円安傾向が企業業績に効いてくる」(第一生命経済研究所の熊野英生・主席エコノミスト)とみられるためだ。

 だが、いずれも外部要因で、「日本経済に自律的な成長力はない」(日本総研の藤井英彦調査部長)。これまでの上げ足の速さを危惧(きぐ)する声もあり、一進一退が予想される。

 米ダウ工業平均株価も、企業業績の回復で上昇基調が続くとの観測が大勢だ。年内の最高値は1万2000ドルを軸とする予想が多かったが、時期は夏から年末まで見方が分かれた。

 焦点は政策金利の動向で、大和総研の熊谷亮丸シニアエコノミストは「早晩利上げがあり、株価の上昇局面は早めに終わる」と予想する。

 最安値は2月8日につけた9908ドルとの見方が多いが、「失業率の高止まりなどがマイナス要因」(藤井氏)となれば、一段の安値もありうる。

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