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■ 秋田のニュース:社説

社説:韓国哨戒艦沈没 南北の緊張激化、回避を

 朝鮮半島情勢がいよいよ緊迫してきた。黄海の南北境界水域で3月下旬に起きた韓国海軍哨戒艦沈没の原因を、「北朝鮮製魚雷による水中爆発」と断定する韓国の調査結果が20日発表されたのだ。

 哨戒艦は3月26日夜、船底部分で爆発があり、27日未明に沈んだ。死者・行方不明者は46人に上っている。4月に海中からの船体引き揚げが行われ、原因は外部爆発の可能性が高いと指摘されていた。

 調査結果を発表したのは韓国軍と民間専門家の合同調査団。報告書で、海底から回収した魚雷のスクリュー部分に、北朝鮮の表記と一致するハングルが記されていたことなどを明らかにした。魚雷は「北の小型潜水艦から発射された以外に説明できない」としている。

 調査団には米海軍や英国、オーストラリア、スウェーデンの専門家も加わり、一定の透明性を確保している。当初は発見が困難とみられていた具体的な物証として、魚雷の一部が見つかっている。十分信じるに足る調査と言っていいのではないか。

 この調査結果を受け、鳩山由紀夫首相は韓国への強い支持と北朝鮮への非難を表明。今後は「地域の平和と安定のため、米韓など関係各国と緊密に連携・協力していく」とコメントした。これは当然な姿勢だろう。

 合同調査団の発表に対して、北朝鮮側は「でっち上げ」と関与を全面否定。国防委員会報道官は声明を発表し「全面戦争を含む各種の強硬措置で応える」「限界のない報復打撃で対応」など強硬姿勢をアピールした。

 もちろん、このような北朝鮮の挑発に乗ってはならない。韓国が北朝鮮と直接対峙(たいじ)するのでは、対立に拍車がかかるばかりで、新たな衝突を招く恐れすらある。あくまで、第三者を交えて国際社会の中で解決の道を探っていくことが求められる。

 合同調査団の結果発表に先立って、韓国政府は18日に日本、中国、ロシアの駐韓大使らに調査結果を事前説明。19日には約30カ国に非公式説明を行った。各国の理解と支持を取り付けようとする対応は理性的だ。韓国は今後、日米両国と連携して国連安全保障理事会に問題提起する準備に着手し、対抗措置を本格的に検討する。

 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の再開を探る動きは中断を避けられない情勢。6カ国協議の議長国として、微妙なかじ取りを迫られる中国は関係国に冷静な対応を呼び掛けている。大きな影響力を持つ中国には北朝鮮が挑発行為などに及ぶのを食い止める役割が期待される。

 哨戒艦が沈没した水域周辺では昨年11月、北朝鮮側と韓国艦艇が銃撃戦を交えている。朝鮮戦争が始まった1950年から60年になるが、今も休戦状態にすぎない。日本を含む国際社会は、今回の事件で朝鮮半島の軍事的な緊張が増すことがないよう協調していくべきである。

(2010/05/21 09:53 更新)

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