その農水省も、県のことばかり言えない。移動制限区域内にあるために食肉加工場が稼働できず、牛や豚を早期に食肉にするという対策がとれないことが発覚すると、24日、加工場を近く稼働させる特例を決めた。
相次ぐ特例について、農水省は「拡大防止のために変えた方がより良い場合は、指針を柔軟に運用する」とする。
畜産農家たちは農水省に従い、大切に育ててきた牛や豚を殺処分にし、また、いつ自分の農場が制限区域に入ってしまうか戦々恐々としている。ある農家は「誰だって自分の牛や豚を残したい。殺せと言っておいて、自分たちのものだけ特別扱いとは」と嘆く。(大谷聡)