原因不明の拡張型心筋症を患い、東北大病院(仙台市)に入院中の園児、横山由宇人(ゆうと)君(5)=利府町=の渡米心臓移植手術費用を集めるため、保護者の知人らが「ゆうとくんを救う会」を設立し、24日に県庁で会見を行った。
由宇人君は09年11月、心臓が拡張して血液循環が悪化する突発性の拡張型心筋症を発症。10年3月に補助人工心臓を装着したが、国内には体重40~70キロの成人用しかなく、体重15キロの由宇人君には大きすぎて血栓ができやすく、脳梗塞(こうそく)などが発症する危険性が非常に高いという。
7月の臓器移植法改正で国内でも15歳未満の臓器提供が可能になるが、提供数は未知数。会見に同席した同大病院小児科の柿崎周平医師は「小児の人工心臓は半年が限界。渡航移植手術以外に選択肢はない」と指摘する。米コロンビア大病院での受け入れが決まっているが、手術費や渡航費など計1億3500万円が必要になる。
会見した由宇人君の父慎也さん(39)は「元気に幼稚園に通える普通の生活に戻してあげたい。何とか手術できるよう助けてほしい」と訴えた。
救う会は募金活動を県内を中心に行う。振込先は「ゆうとくんを救う会」で、七十七銀行利府支店普通口座5330386など。連絡先は同会事務局(022・290・5765)。【鈴木一也】
毎日新聞 2010年5月25日 地方版