What's new
日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)
2010.05.25
米紙報道 米情報機関「金総書記の指示」 哨戒艦沈没事件
カテゴリ北朝鮮出典 産経新聞 5月25日 朝刊
記事の概要
北朝鮮の韓国哨戒艦沈没事件で、米紙ニューヨーク・タイムズは23日、米情報機関は「事件は金正日総書記の指示で実行された」と結論づける機密報告書をまとめたと伝えた。
複数の米情報機関高官の話として報じた。
同紙によれば、金総書記の指示を示す明確な証拠を米情報機関は得ていないが、長年の朝鮮半島情勢の分析から、こうした結論にたどりついたという。
ただ、同紙は金総書記の関与を示す間接的な根拠は、金総書記が4月25日の朝鮮軍人民軍創建記念日に、韓国哨戒艦を沈没させたとみられる「586部隊」を視察し、賞賛したことをあげている。
同じ時期に、昨年11月に黄海上で起きた韓国海軍との交戦の敗北で、大将から上将に降格された人民軍総参謀本部の金明国作戦局長が、再び大将に昇格したとされる。
米情報機関は金作戦局長ら軍の高官が独自に沈没事件を計画した可能性を否定しているが、その根拠は明らかにしていない。
しかし米情報当局の高官は、ニューヨーク・タイムズに対し、金総書記の指示は「証明された事実ではない」とする一方、米CIAなど16機関の諜報活動の集積として「疑義を挟む余地は少ない」と自信を示している。
北朝鮮の韓国哨戒艦沈没事件で、米紙ニューヨーク・タイムズは23日、米情報機関は「事件は金正日総書記の指示で実行された」と結論づける機密報告書をまとめたと伝えた。
複数の米情報機関高官の話として報じた。
同紙によれば、金総書記の指示を示す明確な証拠を米情報機関は得ていないが、長年の朝鮮半島情勢の分析から、こうした結論にたどりついたという。
ただ、同紙は金総書記の関与を示す間接的な根拠は、金総書記が4月25日の朝鮮軍人民軍創建記念日に、韓国哨戒艦を沈没させたとみられる「586部隊」を視察し、賞賛したことをあげている。
同じ時期に、昨年11月に黄海上で起きた韓国海軍との交戦の敗北で、大将から上将に降格された人民軍総参謀本部の金明国作戦局長が、再び大将に昇格したとされる。
米情報機関は金作戦局長ら軍の高官が独自に沈没事件を計画した可能性を否定しているが、その根拠は明らかにしていない。
しかし米情報当局の高官は、ニューヨーク・タイムズに対し、金総書記の指示は「証明された事実ではない」とする一方、米CIAなど16機関の諜報活動の集積として「疑義を挟む余地は少ない」と自信を示している。
コメント
仮に金正日に忠誠心があつい金作戦局長が、いつもの金正日の心(発言)を察し、指示を得ないで魚雷攻撃を仕掛けた可能性はある。その場合でも、金正日は金作戦局長を罰することはできないだろう。
事後の始末として実行部隊を訪問し、賞賛することしか人民軍の支持を得ることができないからだ。
昨年11月の様に敗北すれば降格され、今回の様に成果を上げれば昇格するのが軍隊である。
そこに米情報機関が割り込んで、今回の魚雷事件の主犯を金正日と位置づけたのである。
もし金正日が本当は指示していないなら、米情報機関の位置づけは迷惑な話だが、普段の行いが悪いからこうなった。
私も最初は金作戦局長の報復説を考えたが、それでも金正日は賞賛すると考えて金正日主犯説(指示)に変えた。確かな確証があって金正日指示に変えた訳ではない。
これから北朝鮮人民軍の暴走が起きても、すべて金正日の指示にされることになる。金正日が自分の指示を否定すれば、自分の権威を自ら否定し、人民軍の支持も得られなくなるからである。
実は北朝鮮も韓国も戦争を望んではいない。北朝鮮はいつもの瀬戸際外交で、韓国、アメリカ、中国に、金王朝の体制の維持と、食糧など支援を求めているだけである。
しかし北朝鮮のテレビは制裁に全面戦争で応じるなど、勇ましい言葉で国民を鼓舞している。これが非常に危ないのである。互いに戦争を望んでいないのに、意地の張り合いで戦争に突入することもある。
今は韓国やアメリカが冷静だが、いつまでも冷静でおれない場合がある。北朝鮮は挑発をやめて大人しくしないと滅亡の危機に直面する。
仮に金正日に忠誠心があつい金作戦局長が、いつもの金正日の心(発言)を察し、指示を得ないで魚雷攻撃を仕掛けた可能性はある。その場合でも、金正日は金作戦局長を罰することはできないだろう。
事後の始末として実行部隊を訪問し、賞賛することしか人民軍の支持を得ることができないからだ。
昨年11月の様に敗北すれば降格され、今回の様に成果を上げれば昇格するのが軍隊である。
そこに米情報機関が割り込んで、今回の魚雷事件の主犯を金正日と位置づけたのである。
もし金正日が本当は指示していないなら、米情報機関の位置づけは迷惑な話だが、普段の行いが悪いからこうなった。
私も最初は金作戦局長の報復説を考えたが、それでも金正日は賞賛すると考えて金正日主犯説(指示)に変えた。確かな確証があって金正日指示に変えた訳ではない。
これから北朝鮮人民軍の暴走が起きても、すべて金正日の指示にされることになる。金正日が自分の指示を否定すれば、自分の権威を自ら否定し、人民軍の支持も得られなくなるからである。
実は北朝鮮も韓国も戦争を望んではいない。北朝鮮はいつもの瀬戸際外交で、韓国、アメリカ、中国に、金王朝の体制の維持と、食糧など支援を求めているだけである。
しかし北朝鮮のテレビは制裁に全面戦争で応じるなど、勇ましい言葉で国民を鼓舞している。これが非常に危ないのである。互いに戦争を望んでいないのに、意地の張り合いで戦争に突入することもある。
今は韓国やアメリカが冷静だが、いつまでも冷静でおれない場合がある。北朝鮮は挑発をやめて大人しくしないと滅亡の危機に直面する。