優勝賜杯を手に、愛娘の愛美羽ちゃんからキスの祝福を受ける白鵬。右は紗代子夫人
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◇夏場所千秋楽
大関魁皇(37)=友綱部屋=が琴欧洲を寄り切り、千代の富士(現九重親方)に次いで史上2人目の通算1000勝を達成した。通算991勝で夏場所を迎え、この日9勝目を挙げて達成。貴乃花(現親方)、曙、横綱三代目若乃花らと同期の1988年春場所で初土俵を踏み、22年余りかけて積み上げた。幕内勝ち星は今年初場所、千代の富士を抜いて歴代1位となり、この日で832勝目。
13日目に14度目の優勝を決めた横綱白鵬は、この日も日馬富士を寄り切って自己初の2場所連続全勝優勝。全勝は6度目で、朝青龍を抜いて歴代4位(15日制定着後)。把瑠都は琴光喜に敗れて10勝止まり。ほかの4大関はいずれも9勝に終わった。小結栃煌山は負け越した。十両は武州山が優勝した。
◆32連勝14度目V
白鵬は最後まで強かった。日馬富士に激しい突きを見舞うと、左上手をがっちり握って得意の右四つになり寄り切り。14度目の優勝を6人目となる2場所連続15戦全勝優勝で飾り、連勝を32に伸ばした。
優勝インタビューで「謝りたいことがあります。早く(優勝を)決めすぎてすいませんでした」とわびた。「絶好調。まだ15日大丈夫かな」と笑うほど終わっても余裕いっぱい。紗代子夫人によると「(自宅を離れて宮城野)部屋に住もうか」と考えるほど、私生活から見直して1年半ぶりの東京での優勝に懸けていた。その思いが力の差となって現れた。
次の名古屋では連勝の自己記録(33連勝)、そして大鵬(45連勝)超えが懸かる。だが白鵬は、もっと大きな目標を掲げた。「(優勝回数で)平成の大横綱貴乃花(5位22回)に並びたい。その後は昭和の大横綱大鵬(最多32回)に並びたいですね」。ついに飛び出した最多優勝宣言。大きな野望を胸に横綱は、まわしの色と同じ「黄金時代」を続ける。 (田中一正)
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