アメリカ軍普天間基地の移設問題で、社民党は、鳩山総理大臣が沖縄県側に名護市辺野古の「キャンプシュワブ」沿岸部への移設を提示したことに反発を強めており、25日、党首の福島消費者・少子化担当大臣が、沖縄県を訪れて仲井真知事らと会談し、協力して県外への移設を求めるよう呼びかけていく方針です。一方、鳩山総理大臣は、辺野古への移設は連立政権の3党合意に反するものではないとして、沖縄の負担軽減をできるだけ図ることを社民党に説明し、粘り強く理解を求めていくことにしています。
普天間基地の移設問題をめぐって鳩山総理大臣は23日、沖縄県を訪問して仲井真知事らと会談し、具体的な移設先として、初めて名護市辺野古のキャンプシュワブ沿岸部を提示しましたが、地元・沖縄県の反発は強く、調整のめどはたっていません。こうしたなか、社民党は24日、3役会議を開き、キャンプ・シュワブ沿岸部への移設は沖縄県民の負担軽減につながらないとして、反対していく方針を決めました。これに関連し、照屋国会対策委員長は24日夜、「沖縄県へのこれ以上の基地の犠牲や負担は、容認できない」と述べたうえで、政府がキャンプ・シュワブ沿岸部に移設を決めた場合には、連立政権から離脱すべきだという考えを示しました。ただ、党内には、今の段階では連立離脱に言及するのは時期尚早だという意見も強く、党首の福島消費者・少子化担当大臣は、党の今後の対応を決めるにあたっては、沖縄県側の意向を直接聞く必要があるとして、25日、沖縄県を訪れ、仲井真知事や名護市の稲嶺市長と会談することになりました。一連の会談で、福島党首は、協力して政府に県外への移設を求めるよう呼びかけていく方針です。また、国民新党代表の亀井郵政改革・金融担当大臣は24日夜、平野官房長官と会談し、社民党の意向も聞きながら、今の連立政権の枠組みを維持するための方策を検討すべきだという考えを伝えました。さらに、民主党の川内・近藤両衆議院議員らは「沖縄県が反対しているなかで、辺野古への移設は不可能だ」として、国外や県外への移設を求める署名を党所属議員から集めることになりました。こうした与党内の情勢について鳩山総理大臣は24日、記者団に対し、「3党の合意に反しているわけではない。3党合意では、沖縄の負担軽減を申し上げており、8か月間、できるかぎり負担軽減をしたいと努力してきたし、これからもさまざま図っていきたい。これは、福島党首にもしっかり申し上げなければならない」と述べ、沖縄の負担軽減をできるだけ図ることを社民党に説明し、粘り強く理解を求めていくことにしています。