19日午前11時15分ごろ、上越市稲田4の上稲田公園で、トイレのし尿タンク(深さ約1・5メートル)内に男性の遺体があるのを同市の清掃業者が発見し、上越署に届け出た。県警が遺体を引き揚げ、財布の中にあった保険証を調べたところ、家出人捜索願が出ていた同市の40代男性の名前と一致。県警は遺体はこの男性とみて身元確認を急ぐとともに、20日に司法解剖して死因を調べる。【畠山哲郎、長谷川隆】
県警によると、トイレは男女共用で、タンクはトイレ内とトイレ脇にあるマンホール(直径約35センチ)とつながっている。業者がこの日、マンホールのふたを開けて、タンク内のし尿をくみ出していたところ、うつぶせの状態で遺体が見つかった。目立った外傷はなかった。マンホールに鍵などはなく、自らふたを開けて入った可能性もあるとみて調べている。公園を管理する上越市によると、09年8月4日を最後にし尿のくみ出しをしていなかった。
名前が一致した男性は、5月上旬に家族から家出人捜索願が出されていた。
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現場はJR信越線の高田駅から東約3キロの住宅街。上稲田公園は1977年に開設。近所の子どもたちの遊び場になっている。
この日は、トイレの周辺がブルーシートで覆われ、付近の道路も通行止めとなった。近所の男性(75)は「警察官が大勢いてものものしい雰囲気。この静かな住宅街で物騒です」と話した。
毎日新聞 2010年5月20日 地方版